#19 AS2レポート "One Hundred" ~パーティ編~ by 原麻由美 | AS2 アートを肴に酒を呑む ~AS2 art party~

#19 AS2レポート "One Hundred" ~パーティ編~ by 原麻由美


#19 AS2 Autumn "One Hundred" 吉田恒×Village
レポートをお送りしたいと思います。


今回はテーマ"One Hundred"ということで
100年先を意識した新しい文様を施す
神官装束の狩衣をメインに展示が行われました。

主に発表された文様は3種、
フウセンカズラ・クリオネ・ハイビスカスをモチーフにしており、
それぞれ「平成を象徴する文明を使ってこそ出合えたもの」を
Villageがイマージ図案化し配色等々を吉田氏のディレクションの下決定。
(なお、テーブルを飾った神饌イメージのAS2フードもその工程にオマージュを掛けています。
追々Ripple Joe blogでレポートアップロード予定ですので楽しみにお待ちください。)



#19 AS2


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さて、現代を象徴する文明ですが、
簡単に解説するとミクロの世界が見える技術、
遠くの国の物が手に入る流通などを指しています。

実はトークショーでも議論になったように、
モチーフ自体は驚くほど斬新なわけではないかもしれません。、
例えば一般的なグラフィックデザインにも見受ける機会の可能性はあります。
しかし、それが神官装束の狩衣に施される際のしきたり=システムに基づき
再構築されたことは今まで他になく、その機運さえ世に出てこなかった。
Villageは吉田氏にキュレーションされる素直さを持ち得ていて、
お互いが惹かれあう形でプロジェクトがスタートした物語も温かい。
冷静に、業界間コミュニケーションが起こったことは幸運な事実です。
異なる業界は異なる文化で成長を遂げて来ているので
1+1を行う際には随時共通言語への翻訳と落とし込み、
そうしてようやく理解出来てからの生み出しという気の遠くなる作業が起こるのです。

そこまで想像すると、吉田氏とVillageの
相性の良さの幸運と、掛けてみさせた色々の影響が
しっかり結実するよう仕向けた運命として下記のように解釈できると思います。

「異なるコミュニティの出合いにこそイノベーションが生まれる」の体現。
これはとあるゲストが解説してくださった印象的な言葉なので引用させて頂きました。



#19 AS2


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#19 AS2
(↑新文様ワークショップの様子やパーツ等)



AS2は決して伝統産業とのコラボレーションに重きをおいて
キュレーションしているわけではありません。
伝統的なもので美しいものには惹かれるし、
新しい見た事のない創造物には心動かされます。
そして、好きな人には関わって欲しい。

それらをそのままお見せすることも時には重要かもしれませんし、
AS2 Art Party流な解釈でポップに演出することも楽しみたいと思っています。
一つ意識したのは、新しいAS2メンバーを迎えて数回を経て、
立ち居振る舞いのバランスと意識的な利他的な動きだったと思います。



#19 AS2


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(↑受付けの様子)





宴会は日本の伝統儀式のようなもの、
何度も引用していますが宴の構成要因は大きく分けて「芸」と「食」。
芸にも食にも背景に人の手が明らかに加わります。
そのどちらも立てる、見えないところも立てる、
そこに日本ならではのおもてなしがあるのではないかと思うのです。

AS2は日本人ならではのおもてなしの実践です。
「アートを肴に酒を呑む」ことがおもてなしの場だと信じて続けています。
回を重ねたり状況が変わる度に色々迷いや立ち止まりがありましたが、
今回は吉田恒氏を中心に底力を信じて今一度AS2の原点を実践してみたように思います。





ゲストの皆様方にどのように映ったかも勿論知りたいですが、
AS2メンバーがそれぞれ感じたこの日のことを
不確定ではありますが明日に委ねる自信に繋げていければと思います。


沢山ご来場くださってありがとうございました。
個人的には高校生の頃から異文化間ギャップを埋める教育を受けた影響から
丸いテーブルに全く異なる人たちが集う状況を愛してきました。
違うからこその影響力による自己認識がそこにあるからだと思います。


全然整理出来ずに書きながら自分も整理していますが、
今後ともその試行錯誤のまちなかで行うアートを介したコミュニケーションの機会を
どうか温かく見守り、時々(欲を言えば時々より多めに)御参加下さいましたら幸いです。



#19 AS2


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#19 AS2


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なお、初段落でも述べましたように、
初の詳細なオマージュを掛けたAS2フードレポートは、
Ripple Joe blogにて上げて参りたいと思います。


by 原 麻由美