今回は、公務員が病気休職中に妊娠出産したらどうなるかについて、紹介します。


結論から言うと、

基本的には、病気休職からそのまま産休育休に入ることはできません

ご注意ください。


私の例を紹介します。


…………

私が、病気休職(うつ)したきっかけは、

第二子を生後11日で亡くしたことです。


こういった場合、

産後8週間の産休は取得できますが、

育休は当然取得できません。


なので、産休明けたら復帰する旨を伝えていました。

ところが、日に日に心身の状態が悪化していき、日常生活もままならなくなりました。

「うつ状態」と診断され、職場復帰は困難となりました。


退職も検討しました。

でも、

・重要な決断は今の状態ですべきではないこと

・必ず回復する時が来る

といった医者、職場、家族の助言を受け、

とりあえず休職に甘えることにしました。


そうして、

産後休暇が明けると同時に、病気休職となりました。


…………


公務員は最大3年間の休職が認められますが、

その間は、

毎週の心療内科通院、月1.2回のカウンセリングを受け、

定期的に職場に病状報告をし、

医師・管理職・本人の三者面談のもと、

休職延長or復帰準備となります。



…………


私の場合、

1年目は、まともに家事育児が出来ない上、引きこもって泣いてばかりでした。


2年目は、少しずつ日常生活をスムーズに過ごせるようになってきました。

でも、体調がずっと悪く、人間ドックも引っかかり、色々調べましたが問題はなく、全て精神的なもの、自律神経の乱れが原因だと言われました。

生活を変えようと、ジム通い(ヨガやプール)を始めたところ、心身共に調子が上がってきて、ずいぶんと回復を実感できるようになりました!


そして、休職3年目、

この先のことを具体的に決める時です。

私の本音は仕事復帰よりも、赤ちゃんを授かりたい気持ちでした。


ただ早期早産の既往歴は、ハイリスク妊娠となるため、

「仕事との両立は難しい」と産科医にも言われていたし、

心療内科の主治医にも、

「産科の先生もそう言ってるし、メンタル的にも両立は難しいと想う。優先順位を決めて。」

「妊娠出産も立派な社会復帰」

と助言を受け、

妊娠出産を優先することに決めました。


そうして、職場には

3年目の休職延長を願い出る際に、

自分の気持ちと、産科医・心療内科医の助言を伝えました。


要するに、

『妊娠出産を希望している。

 病気休職→産休・育休→復帰したい。』

と正直に管理職や教育委員会に話しました。


過去の経緯や、事情が事情だけに、

この希望を咎められることはなく、尊重して頂けました。

ただ、子どもは授かりものだから、

その時にまた考えましょうというお返事でした。


…………

そして実際の出来事を紹介します。


4月 休職延長・妊娠希望を伝える

6月 妊娠発覚

7月 12週を過ぎたので、職場に報告

9月 夫婦で面談に来てほしいと言われる


【面談内容】

現在の制度上、病気休職から産休育休に移行することはできない。前例もない。

※勤務の実績がないと、産休育休は取れない。

育休を連続して取得するケースとは意味が違う。


したがって、

産前休暇に入る前に、一度復帰をする必要がある。

具体的には、病気休職の人が復帰をするために行う

・準備訓練(1週間)

・職場リハビリテーション(4週間)

を問題なくクリアする必要がある。


それができないのであれば、退職。


スケジュールを逆算すると、

来週からさっそく職リハ開始しないと間に合わない。


という厳しい内容でした。


色々質問しました。

Q妊婦健診等で欠席した場合

   Aその日数分追加で出勤する必要がある


Q時短勤務、リモートワークの適応はあるか

 A妊娠中や子育て中、コロナ禍だからといって時短やリモートワークなど配慮はなく、用意された復帰準備プログラムを遂行しなければ、認められない


Q切迫症状等で必要日数勤務できなくなった場合

 A職場訓練が遂行できなかったということで、退職せざるを得なくなる。


あくまで、現在の制度上、

病気休職した人の復帰手順に沿う必要があり、

妊娠有無や既往歴なんて知ったこっちゃない。

無理なら退職しかない。

という厳しいか内容でした。


民間企業だとよくある話と聞いていたけど、

まさか公務員も同じだったとは。


…………

ちょっと腑に落ちないのは、

4月の段階から希望は伝えていたのに、

7月には妊娠報告していたのに、

9月になって初めて「来週から」と直前になって言われても…。


急いで、病院に相談しました。


産科主治医 

『今現在は切迫状態でないので、症状出るまでは出勤許可は出せる。

やってみなければ分からないけど、リスクは高いからオススメできない。後悔しないように。』


心療内科主治医 

『仕事はこの先いくらでも挽回できる。

確かに病気休職は復帰を前提としたものだけど、結果的に退職なるのは仕方ないこと。

今は妊娠出産を優先させましょう。』



・職リハ無事に乗り切れて、仕事も赤ちゃんも諦めないで済むかもしれない。

・自宅で安静にしていたからといって、赤ちゃんが必ず無事に生まれてくるとも限らない。


どんな結果になっても後悔しない道は!?


私達夫婦は、赤ちゃんを選びました。

職リハや復帰はせず、退職の意向を伝えました。


…………

後悔はないです。

ただ、

病気休職→育休産休に移行できない

ことは、もっと前から知っておきたかった。


もし知っていたなら、

多少無理してでも、もっと早く妊活を始めていたと思うから。


私みたいな産科的に制限のあるケースであれば、

休職できる3年間のうち早い段階でに、妊娠出産を無事終えて、

休職期間が明ける前に職リハを行い復帰する

ということも可能ということだったので。


そしたら、妊娠出産も仕事も諦めることはない。


このことは、もっと早く知っておきたかった。

だからこそ、こうして記事に書くことで、同じように悩んでいる方の選択肢や参考になればと思っています。


…………


ちなみに、

出産手当金等の福利厚生は利用できます。

産前産後の一定期間は、名目上は出産手当金として支給され、

その後はまた傷病手当金に切り替えられ、満期退職となりました。


…………

決断した後、SNSを通して、

他県ではゴリ押しして、

休職→産休育休を取得したケースを知りました。


確かに、今の時代、マタハラだ!等 強気に出れば、

私が県内初の事例を作れたのかもしれません。


この後、同じような経験をしてしまう方のために動くことも大事なのかもしれません。


でも、

私は元気になるまで休ませてもらえて、

今度は無事に出産もできて、

ここまで制度に助けられて、もう十分ありがたいです。


そして正直、制度を変更させてまで、

育休後に復帰する強い意思があるのか自信がなかったです。

だってあの労働環境だったから早産したと思っているから。

娘を犠牲にしてしまった職場に戻るのが怖かったから。

娘の命の意味を無駄にしたくなかったから。


ずっと迷っていたけど、

退職が決まり、ホッとした自分もいました。

(お金のことは心配だけど)


お陰で新しい道が拓けました。

娘も「これでいいんだよ」ってニヤニヤ笑っている気がしました。

やっぱり娘は私を違う道に誘うお役目があったのかもしれません。なんてね。


…………

とにかく、

女性がキャリアを継続させながら妊娠出産育児をするって本当に難しいことなんだと痛感しました。

本気で少子化を食い止めたい!とか、

労働力確保したい!とかあるなら、

妊活〜育児中の制度をどうにかしないと、と思います。


まぁでも、

国のために産むわけでもないし、

職場のために働くわけでもない。


自分がどうしたいか、が大事なんだろうな♡


同じような状況で悩んでいる方に、幸あれ♡