「散歩の途中でへたり込んじゃったんだよ。どうしたんだろう・・・。」
だんな様は走るのが好きなチャコにあわせて、自転車で散歩をする。
途中、トイレを済ましたあと、お気に入りの空き地などでしばらくリードをはずしてもらって、
帰りはまたダッシュで自転車を引っ張らんばかりに帰ってくるのがいつものチャコの散歩だった。
それが、最初は勢い良く走り始めたものの、
いつものコースの半分も行かないうちにトボトボ歩き始めて、
そのうち座り込んでしまったらしい。
仕方なく自転車をその場において、抱きかかえて戻ってきたというわけだ。
飼い始めて12年、今までそんな事は一度もなかった。
走りたがらないなんて事はまずなかったし、抱っこされるのも大の苦手だった。
それはうちの1号と同じで、
愛情表現だとばかりに、抱っこしようとすると、じたばたと逃げ出してしまうのだ。
変なところが似てるわね~~なんて、言ってた事もあった。
しばらく休ませたあと、病院に連れて行った。
それでも、散歩から帰ったばかりの時に比べたら、自分で歩くし、車にも飛び乗った。
尻尾も振ってたし、病院にはいる階段も、とことこと駆け上がった。
きっと、風邪でもひいたんだ。
一時的にちょっと具合が悪くて、へたり込んだだけだったんだ。
よくわからないけど、点滴でも打ってもらったらすぐに良くなるに違いない。
そう思いながら病院のドアをくぐった。
案の定、先生も、「点滴を打ちましょう」といって準備を始めた。
「貧血を起こしているようですね、歯茎や、まぶたの裏側が真っ白です。」
「なーんだ、貧血かぁ・・・そうだったんだぁ。私と同じじゃん。」
夕方までゆっくり点滴をして、血液検査などをしてみます、とのことだった。
チャコをおいて家に帰り、いつもどおりの時間をすごして、夕方にまた病院に行った。
「チャーコ、元気になったぁ?」
先生の表情は硬かった。
いろいろな検査に先駆け、レントゲンをとったら・・と言いながら写真を見せてくれた。
私には、ふむふむ、おなかの写真だなあ、としか思えなかった。
「ここには、いろんな臓器が写っているはずなんです。
チャコちゃんのお腹には、それも写らないほど大きな腫瘍ができています。」
「今回の腫瘍は、とても私たちの手に負えるものではなく、
どうしても取り除きたいとおっしゃるなら、他の病院を紹介するしかありません。」
「結局、足の時と同じように、私達が判断しなくてはいけないという事なんですね?」
「ええ、まあ・・・こちらでできるのは点滴くらいですが、それがどれ位有効かは・・・。
取りあえず、連れて帰られますか?」
連れて帰るもなにも、当然でしょうと思いながら、支払いを済ませて家路についた。
車に乗るのが、ちょっとしんどそうだなあと思ったけど、それでもまた自分で歩いていた。
家について、玄関に入るとすぐそこに横たわった。
外から小屋を持ち込み、回りにダンボールや毛布を敷いてやった。
すぐに小屋にはいると、ちょっとうとうとしているようだった。
足の腫瘍の時のように、また一からチャコの今後を考えなくっちゃいけないんだなあ。
何から考えをまとめたらいいだろう・・・・。
リビングでソファにすわり、目を閉じた。考えがまとまるわけがなかった。
何を考えて良いのかもまだわからなかった。
しばらくすると、チャコが小屋から出て来る音が聞こえた。
玄関の土間に寝転んだのが、気配でわかる。
のどが渇いたの?チャコ・・・?
チャコはお腹で大きく息をすると、それを最後に動かなかった。
え?まって、うそでしょ?手術は?どうするの?
なんで?なんで?どうしたの?
何がなんだかわからなかった。
今回の腫瘍は、とりきれずに助からないのかもしれないなあ、とは思った。
だけど、今日なの?今日に死んじゃうなんて・・・・・。
死んじゃうってわかってたら、大好きなチョコレートを食べさせてあげたのに。
もっともっとなで続けてあげたのに。
さっきまで歩いてたじゃない。
昨日まで私の事を心配そうに、見上げててくれたじゃない。
自分でも何を叫んでいるのかわからなかった。
ただただチャコの名前を呼び続けただけだったような気もする。
だんな様は走るのが好きなチャコにあわせて、自転車で散歩をする。
途中、トイレを済ましたあと、お気に入りの空き地などでしばらくリードをはずしてもらって、
帰りはまたダッシュで自転車を引っ張らんばかりに帰ってくるのがいつものチャコの散歩だった。
それが、最初は勢い良く走り始めたものの、
いつものコースの半分も行かないうちにトボトボ歩き始めて、
そのうち座り込んでしまったらしい。
仕方なく自転車をその場において、抱きかかえて戻ってきたというわけだ。
飼い始めて12年、今までそんな事は一度もなかった。
走りたがらないなんて事はまずなかったし、抱っこされるのも大の苦手だった。
それはうちの1号と同じで、
愛情表現だとばかりに、抱っこしようとすると、じたばたと逃げ出してしまうのだ。
変なところが似てるわね~~なんて、言ってた事もあった。
しばらく休ませたあと、病院に連れて行った。
それでも、散歩から帰ったばかりの時に比べたら、自分で歩くし、車にも飛び乗った。
尻尾も振ってたし、病院にはいる階段も、とことこと駆け上がった。
きっと、風邪でもひいたんだ。
一時的にちょっと具合が悪くて、へたり込んだだけだったんだ。
よくわからないけど、点滴でも打ってもらったらすぐに良くなるに違いない。
そう思いながら病院のドアをくぐった。
案の定、先生も、「点滴を打ちましょう」といって準備を始めた。
「貧血を起こしているようですね、歯茎や、まぶたの裏側が真っ白です。」
「なーんだ、貧血かぁ・・・そうだったんだぁ。私と同じじゃん。」
夕方までゆっくり点滴をして、血液検査などをしてみます、とのことだった。
チャコをおいて家に帰り、いつもどおりの時間をすごして、夕方にまた病院に行った。
「チャーコ、元気になったぁ?」
先生の表情は硬かった。
いろいろな検査に先駆け、レントゲンをとったら・・と言いながら写真を見せてくれた。
私には、ふむふむ、おなかの写真だなあ、としか思えなかった。
「ここには、いろんな臓器が写っているはずなんです。
チャコちゃんのお腹には、それも写らないほど大きな腫瘍ができています。」
「今回の腫瘍は、とても私たちの手に負えるものではなく、
どうしても取り除きたいとおっしゃるなら、他の病院を紹介するしかありません。」
「結局、足の時と同じように、私達が判断しなくてはいけないという事なんですね?」
「ええ、まあ・・・こちらでできるのは点滴くらいですが、それがどれ位有効かは・・・。
取りあえず、連れて帰られますか?」
連れて帰るもなにも、当然でしょうと思いながら、支払いを済ませて家路についた。
車に乗るのが、ちょっとしんどそうだなあと思ったけど、それでもまた自分で歩いていた。
家について、玄関に入るとすぐそこに横たわった。
外から小屋を持ち込み、回りにダンボールや毛布を敷いてやった。
すぐに小屋にはいると、ちょっとうとうとしているようだった。
足の腫瘍の時のように、また一からチャコの今後を考えなくっちゃいけないんだなあ。
何から考えをまとめたらいいだろう・・・・。
リビングでソファにすわり、目を閉じた。考えがまとまるわけがなかった。
何を考えて良いのかもまだわからなかった。
しばらくすると、チャコが小屋から出て来る音が聞こえた。
玄関の土間に寝転んだのが、気配でわかる。
のどが渇いたの?チャコ・・・?
チャコはお腹で大きく息をすると、それを最後に動かなかった。
え?まって、うそでしょ?手術は?どうするの?
なんで?なんで?どうしたの?
何がなんだかわからなかった。
今回の腫瘍は、とりきれずに助からないのかもしれないなあ、とは思った。
だけど、今日なの?今日に死んじゃうなんて・・・・・。
死んじゃうってわかってたら、大好きなチョコレートを食べさせてあげたのに。
もっともっとなで続けてあげたのに。
さっきまで歩いてたじゃない。
昨日まで私の事を心配そうに、見上げててくれたじゃない。
自分でも何を叫んでいるのかわからなかった。
ただただチャコの名前を呼び続けただけだったような気もする。