ひつじの毛がぬける | に・ぴ・こ・り・と

に・ぴ・こ・り・と

至極個人的な日々の記録。

今日はマニアックな話をします。
はっきり言って
おもしろくない話です。



前にブログで、ひつじの毛を刈った時の話を書いたことがあったけど、そのときに書こうと思っていた話です。

ひつじの毛抜け薬の話です。
毛を刈る話を書いてたら、テンションがあがってきて、
そっちの話がメインになっちゃったんで
話のバランスが悪いから、ちゃんと書くのをやめたんよ。

羊の毛抜け薬はEGF(Epidermal Growth Factor) というもので、
難しく言えば上皮細胞成長因子というもの。
皮膚や、胃腸・血管の一番外側の組織を構成する細胞
(上皮細胞)の産生を促進する、タンパク質だ。

オーストラリア人が必死になって研究して、これで羊の毛が
抜けるぜってことを突き止めたらしい。

けど、このタンパク質は身体の中で少ししか造られない。
効果があっても、それじゃあ つかえねーじゃん。

ということで、これをたくさん作る技術が求められたわけだが、
その技術を確立したのは、日本の醤油会社だった。意外?
技術は微生物利用技術だ。

実のところは、醤油会社が技術開発したからってそんな
意外でもない。あまり知られていないかも知れないが、
酒造会社、乳業会社、醤油会社といった会社は、
微生物利用技術によってけっこう儲けてたりするのだ。

このEGFを増やす技術は、EGFのDNAをある微生物に人工的に
ぶちこんで、微生物と一緒にそのDNAを増やし、増えた微生物に
DNAからEGFを造らせ、それをいただいちまおう、
というもくろみだ。よくやる手法なんだけど。

微生物にもいろいろいるけど、こういう目的に使う微生物は
体の外にたくさんタンパク質とかを吐き出すやつを探して、使っている。納豆を作る菌に近いやつだったりする。

ともあれ、たくさん造れるようになったEGFはオーストラリアで
認可を受け、この薬のおかげで、毛刈りの重労働から開放された
というわけだ。この研究をしてた人とは少しだけ縁があったんだけど、研究報告を聴いたときは、すげえって感動しました。

こういった、いわゆるバイオテクノロジーは、
いま加速度を上げてどんどん発達している。
びっくりするような話もたくさんある。

また気が向いたら、しつこくこんな話を書こうと思います。


【参考】
南ヨーロッパの乳用緬羊
ついでなんでこ難しい話:これ