「出署拒否 巡査部長・野路明良」を読む。
元白バイ隊員、野路明良巡査部長の活躍を描く、
野路シリーズの三作目。
開署準備室、運転免許センターと来て、今回は、県警の警務課で、
地域課のひきこもり警官、友枝の説得を命じられる。
始めは、野路の説得にけんもほろろといった態度だったが、
幾度も通ううち、野路が漏らした事件に興味を示す。
結局、「にわか刑事コンビ」が出来上がるのだが…。
やはり今回も、事件に首を突っ込む野路と、
お決まりのように暴走してしまう友枝との、
これこそ、凸凹コンビが解決を導き出す。
白バイ隊員出身の作家さんだからこそ描ける、
警官というものが、さまざまな悩みや苦しみを背負いながら、
それでも、事件に向き合い、前に進む力は一体何なのだろう。
一人ひとりの正義は、微妙に違うのかもしれないが、
警察の正義というものは、一つで、揺るがないものであってほしい。