榎本憲男さんの「アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿」を読む。

 

 

 

刑事モノで、魅力あふれるコンビは、これまで

いっぱい出てきているが、この作品に登場する二人も、

その上位に入る。

 

先走ることで浮き気味の女刑事、捜査一課の刈谷杏奈と、

田舎の所轄、あきる野署の内藤。

このハブられコンビが、秋川渓谷で発見された自殺遺体に疑問を持ち、

ヤクザや議員が絡んだ、とんでもない案件をほじくり出す。

 

刈谷は、趣味の領域を超えた、映画製作兼女優という異色のキャラ設定。

そして、田舎の所轄でヒマしているオッサン刑事。

そう聞いただけで、面白くなりそうだと、ワクワクしてくる。

 

特に、昼行灯、ゴンゾウ風に描かれている捜査員は、

絶対できるというのが相場。

 

仕事ができるだけではない。

これまで、突飛な筋立てを笑われてきた刈谷の話に、

耳を傾ける柔軟さがある。

 

刈谷の父親の殉死に漂うきな臭い匂いや、

内藤が田舎の所轄に追いやられた経緯など、

さらに、刈谷の上司がどこまでそれに関わっているのかなど、

まだまだ、明かされていないことがある。

 

シリーズになるんだろうな。