十四年前、ある男が犯した連続殺人。四人の女性を次々と殺害し、
逮捕された。
彼、明石は、無実を訴え続けたが、死刑が確定してしまう。
被害者の一人が恋人という過去を持つ刑事、簑島。
同じ手口の殺人事件が起こり、
刑務所に明石を訪ねた簑島は、彼からとんでもない話を持ち掛けられる。
「模倣事件を解決してやるから、冤罪をはらす手伝いをしろ」というもの。
恋人を殺された憎しみ、警官としての信念から、
最初は、全く取り合わなかった簑島だったが、変化が、
そして、それに伴って、刑事としての簑島に苦しみが…。
推理」「ストラングラー 死刑囚の告白」を読む。
明石の頭脳に加え、明石を支援する謎の女、仁美、明石に信奉する望月、
そしてフリーライターの碓井がチームとなって、
取引に応じた簑島が巻き込まれた事件を解決していく。
「死刑囚の推理」の終盤では、
慕っていた先輩刑事の伊武が、実は、明石逮捕時に、
明石に罠を仕掛けていたことが判明。
だが、その伊武が、簑島の目の前で、何者かに射殺された後から、
簑島が壊れていく…。
簑島という人物に、あまり魅力を感じない。
生真面目すぎて、頑固な性格だけがその理由ではないだろうが。
さらに、「死刑囚の告白」では、
簑島が徐々に壊れていくのは、何かの伏線なのか。
明石が、真犯人に、冤罪を晴らす手助けを頼むという、
安手のオチだけは、無いよう願う。
ともかく、引っ張りすぎると、脱落者も出てくるのでは?