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警察署で飯を食う。


こう書くと、何か悪いことをして警察にやっかいになったと思われてしまうかもしれませんが、実はそうではないのです。


残念でした。


(わたくし、それほど悪いことはしちゃおりません。平均台のような人生の上を、まだ何とかバランスをとりながら生きています)


免許の更新があり、腹もすいておりましたので、そのついでに警察署の食堂で飯を食べた時のことです。


わたくし、図書館などで一日を過ごした日には、その際、市役所で飯を食すことは多々あるのです。市役所の定食は、栄養バランスもなかなかに考えられており、お値段も500円以下とお手ごろなので、金欠の時にはお世話になっています。


しかし、警察署で飯を食したことはなく、この時は、興味とわずかな緊張が入り混じった、おももちで食堂に足を踏み入れたのです。


午後二時過ぎ。食堂はほとんど空いており、店主? と思われる方が、再放送しているメロドラマを見ている時でした。

「おや。いらっしゃい!」


私が頼んだメニューは、竜田揚げ定食です。

ご飯は、どんぶりに山盛り。

竜田揚げの衣は、食堂とは思えないほどに、しっかりと本格的に香ばしく、つけ合わせの1/4カットされたオレンジの皮だけを残し、おいしく全てをたいらげました。その食べっぷりに驚かれたのか店主が近づいてきて、話かけてきました。


「今日は何のようで来たの?」

「免許の更新なんです」

「そうなのかい」


その後も、わたくしは警察署で飯を食しに足を何度か運びました。背筋のいい、白バイ警官のそばで一緒に飯を食したこともありました。こうして、同じ食堂で、警官の方々と飯を食すと、警官の方もサラリーマンと変らないのだなぁ、と一人感慨深くなったものです。わたくしの食べっぷりに驚かれたのか、また店主が近づいてきて、話かけてきました。


「今日は何のようで来たの?」

「今日は……ご飯を食べに……」

「え。何のようもなく?」

「……はい」

「じゃあ、また来てよね」


それ以来、何故か、ためらい行けずにいる、わたくしです。