自転車でいつもと違う道、さらに違う道へと突き進んでいく。
人気のない、枯れきったススキ野原ひろがる川べりの道をしばらく走っていると、
突如として開けた場所に突き当たり、
そこに野良猫と思われる猫が7、8匹、一画に集まるようにして身をさらしていたのである。
黒猫、灰色猫、ぶち猫、しま猫、三毛猫……。
あるものは数匹で身をよりあわせ、
あるものはべたりと寝そべり、
あるものはあぐらをかいている。
驚いたのは、じっと静止するようにして10数羽ほどの黒光りするカラスも、その集会に参加していた、ということである。
カラスと猫は、よりかかれるほどの近接した距離で点在していたのだ。
こちらの存在に気づいている様子でありながら、猫、カラスともども、一向に動じた気配も、逃げる気配も見せない。
……これは珍しい。
わたくしは、たまたま持ちあわせていたカメラで、猫群とカラス群の合同集会を写真にパチリとおさめようと考えたのである。
そろりそろり静かにカメラをバッグからひきずり出し、ゆっくり構え、指先がまさにシャッターボタンに触れようとした、その時のこと。
何を察したのか、全てのカラスが、ばさばさと大きな羽音をとたてて飛び去ってしまった。
猫たちは残っていたのだが、その動じなさに、うすら寒いものを感じ、その後もシャッターボタンを押すことができなかったのである。
……出会ってはいけない、集会に出会ってしまった。
うちに帰った今では、写真を撮らなくてよかった、残さなくてよかった、と、あたたかいお茶を飲みながら思っている、わたくしなのである。
2012.1.9 polished