いわゆるタイムスリップとかタイムトラベラーものになるのかな。

でも中身は美少女ゲームが好きで作画をやっている少女と

小さなゲーム会社の仲間とのヒューマンドラマ…かな?

 

元は同人誌らしくて作画は若木民喜先生。

『神のみぞ知るセカイ』の原作者ですね。

 

私は作画が良かったし物語も悪くないし

毎週楽しみに観てました。

 

 

以下、専門的なうんちくになるので

スルーでOK。

 

 

■8bit CPU Z80

 

16bit CPUを搭載するPCが登場する前、

世間一般の庶民のPCといえば

殆ど全て8bit CPUのZ80が搭載されていた。

 

Z80はザイログ社の開発したCPUであり、

Intelの8080の上位互換であった。

 

Z80は日本のASCIIが提唱した

MSXシリーズでも採用されており、

一時期はZ80を対象とした

資格試験まで存在した程に

広く流通したCPUである。

 

 

Z80は命令が後付で美しくないと批判もあったが、

8080のハード・ソフト資産がそのまま使用でき、

PCだけでなく工場などの制御系機器でも

幅広く使用されたCPUである。

 

 

■評判が悪かったIntel 16bit CPU


そろそろ16bit CPUに移行しようとしていた時代、

しかし、当時の16bit CPUの代表格である

Intelの8086は技術者にすこぶる評判が悪かった

 

というのも8086(8088)は8bit CPUとの

ソフトやハードの上位互換を保つために

様々な面で中途半端であったことや、

PCならともかく、制御系機器で使用するには

Z80に比べると過剰性能過ぎたことや、

あまりにノイズに弱かったことなどが挙げられる。

 

特にソフト面でセグメントという設計思想が

アドレス管理を複雑にしてしまい、

これがバグを生むことも多く、

プログラマの悩みの原因にもなっていた。

 

当時、技術者はこれを「セグメントの呪い」と呼び、

疎ましくも恐れたのである。

 

 

■Z80の呪縛

 

他にもザイログのZ800やモトローラの68000といった

中途半端ではない、本物の16bit CPUが存在していたが、

逆にソフトやハード面で8bit CPUとの互換性がないため、

技術者が採用を躊躇してしまったこと、

また新たに16bitシステムを1から組むので

製品の価格上昇が顕著になってしまい、

黎明期にあまり広まらなかった一因となった。

 

そしてあまりに長い間、Z80が採用されていて、

その使い勝手の良さや長年のノウハウの蓄積で

なかなか16bit CPUへの移行は進まなかったのだ。

 

これを技術者は「Z80の呪縛」と呼んだ。

 

それでもビジネス分野のPCで16bit CPUが採用され続け

Intelの80186や80268などの上位互換を備えた

16bit CPUがリリースされていくと

時代は16bit CPUへと移行していったのである。

 

 

■短かった16bit CPU時代

 

このアニメのタイトルの”16bit”が意味する、

16bit CPU時代というのは

Z80時代と比べると実はとても短い。

 

というのも一度ノウハウが確立すると、

上位互換を謳った16bit CPUの系譜は

次々とPCの最新鋭機に使用されていき、

人々はもっと高性能でもっと高速なCPUを

求めたからである。

 

結果として16bitはあっという間に

32bit CPUへの置き換わりが進んでいき、

Z80が今でも細々と使用されているのに対し(※注)、

16bit CPUはその役割を終えて今では

殆ど見ることはなくなってしまったのである。

 

※注:

今では純粋なZ80ではなく互換性をもったCPUであり、

複数の周辺チップを統合したものが使用されている。

PCに採用されることは全くないが、

制御系機器などで使用されている。

 

同様に32bit CPUも短命で終わろうとしている。

ごく一部のPCなどで32bit CPUが採用されている以外では

現在は64bit CPU時代なのである。

 

 

■タイルペイント

 

このアニメに登場する”タイルペイント”は

何もPCが初出の技法ではない。

 

タイルを塗るように色分けすることから

その名が付いたのだが、

実は印象派の巨匠たちが

絵画の分野で既に行っていた。

 

彼らは絵の具を最初から混合せずに

キャンバスに描く際に複数の色を点在させることで

遠くから絵を眺めた場合、それが脳内で混ざり合って

目的とする色となるのを発見していたのである。

 

 

-AR