出願戦略:審査の三本柱を確実に押さえよう(4)パーソナリティー2 | あるらのアメリカ大学院留学記

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凡才ながらアメリカの大学院で博士号をめざす普通の女の子の奮闘記。

米大学院出願準備情報、

大学院生活、研究生活のレポートなど

「パーソナリティー」についての続きです。

教授が出願者を選ぶ場合に

(1)人生のキャリア設定のなかで
PhD取得の位置づけがはっきりしているか
(2)その分野に対して興味を持ち続けられる
モチベーションがあるか
(3)その大学の課程、研究室を選ぶ理由が
はっきりしているか

 

が重要なのではないかと書きました。

自分が本気でPhDをとる気があることをエッセイで見せるにはどうすればいいのでしょうか?

  

1)人生のキャリア設定のなかで
PhD取得の位置づけがはっきりしているか

 

「将来OOをしたいからPhDを取りたい」

がもっともシンプルなStatementですね。

普通は、教授とか、企業の研究所で研究したいとかでしょう。

大学院は専門家を育てるところ。

あれこれといろんなことに興味があって・・じゃなくて、

小さいころから科学に興味があって

数学も物理も得意で

人生を科学研究にかけるために生まれてきた、みたいな・・

自分のパーソナリティーを

「個性的だけどある意味典型的な

科学者サクセスストーリの主人公」

として魅力的に語る?

そんな能力が必要なんじゃないかと思う。

人生キャリア目標は具体的でこだわりがあればある程

もっともらしいと思います。要するに具体例です。

私が添削をお願いしたBerkeley帰りの教授には、

「具体的に会社名をあげた方がいいんじゃない?」と

アドバイスされました。

別にここで具体的に社名をあげたからといって、

将来そこに就職しなければウソになるということは基本的にないと思います。PhD過程は長いです。途中でもっとその分野のことがわかって

考えが変わっても何もおかしくありません。

重要なのは

「人生の目標を現実的かつ具体的にもっている」

ことをアピールする点にあると思います。



私自身どう書いたかというと・・・

他所で書いたとおり、

この当時私の最終キャリア目標は

科学ジャーナリストだったのですが・・・

私は出願書類にはそのことには触れず、

企業の研究所で働くつもりだと書きました。

かなり迷いました。

でも・・・大学院は専門家を育てるところ。

「スポーツライターになりたいので」

と志望理由をあげてプロ野球入団試験を受けに来る

スポーツ選手を合格させる球団なんかあるわけないじゃないですか。

そりゃあ・・結果としてスポーツ解説者になったり

タレントになったりする選手がいても

全然おかしくないんですけど、はじめはやっぱり

「ホームラン王めざします」

といわなければ・・

絶対一流になると考えて全力でがんばらなければ、

PhDまでたどり着けないと思うんです。

そして、その気合と決意を見せないと

合格させてもらえないと思いました


ちなみに私はこの部分では

「テレビ局の科学番組製作アシスタントのアルバイトをしていた中で、赤外センサーで、脳の血管中の酸素濃度を測定し、人が楽器の弾き方を習得していく過程を解き明かす番組にかかわった経験から、私が大学の授業で学んだ科学の知識の産物が、実際に現実の身近な疑問を解き明かすために役にたっていることを実体験し、自分ももっと知識を深めて、役に立つデバイスを発明するためにPhD過程で学びたい」などと書きました。あんまりいいネタではないんですが・・・・具体的に生き生きとあげられるネタが、これしか思い浮かばなかったので・・・・


(2)その分野に対して興味を持ち続けられる
モチベーションがあるか

  

なぜその分野に興味を持ったのか、

なぜその分野を選ぶのか?

何がやりたいのか?

できるだけ具体的に書くほうがよいということです。

私は確か・・

(1)授業で勉強してこういうところに魅かれた、とか、

(2)この論文を読んで面白かったとか、

(3)自分は学部でこういう研究をして、

こういうところをもっと深く追求したいと思ったなどなど

それぞれの出願先で正直に書きました。。


私が今の研究テーマ「量子ドットセンサー」のために書いた部分・・

「ナノテクノロジーの発展によって「量子効果」はもやは教科書の中にだけ存在する単なる理論ではなく、現実に実験室で実現できるということを知った時、私はその不思議な世界に魅了されました。私の目標は、この、「極小の世界」でのみ存在している量子効果を「日常世界」で役に立つ実用的なデバイスに応用することです。」

よくかけてたのか、かけてなかったのか自分ではわからないのですが

自分の情熱を精一杯書きました。

(3)その大学の課程、研究室を選ぶ理由が
はっきりしているか

たぶん研究室選びのところでもっと詳しくお話できると思いますが、

まず何よりも

自分が願書に書く研究内容が自分が出願する学部で行われていること

を絶対に確認してください。

「えー?こんな研究うちではやってないよー」

となった場合速攻落ちます。

星の数ほどある大学、研究室の中から

そのひとつを選びきれるほど詳細な情報を集めるのは難しいのですが、

私が思いついた限りでは・・

その研究室の研究内容:ユニークなアプローチ方法、過去の業績

研究室、学部、大学の設備:そこでしかできない実験

教授のパーソナリティーや研究室の雰囲気など・・

うーん、難しいですよね。

教授に会ったことがあったり

研究室に知り合いがいるとか

見学したことがあったりすると

個人的体験から得た理由を加えられるんですけど。


しかし、入学して周りと話して思ったのが・・

入学した時点で

「この研究室でこの研究するんだ!」

というように、具体的に決めてある人の割合は

思ったより高くない気がしました。(100%ではない)

特にこれは

「委員会選考形式」らしい学部によく見られる傾向です。

あまり絞りすぎるのも危険が伴いますし・・

学部から直接進学する場合は

ピンポイントな研究目標じゃなくてもいいのかも?


私はプリンストンレビューでエッセイの個人添削サービスを2,3回ほど受けました。ものすごく高い(確か時給2万円くらいした!!)のですが・・・

人生が決まるのなら・・っと思って。。。

英語の文法チェックだけなら、もっと安いのも、Web添削とかあると思うけど、

構成とか、内容とかはねーー。

人と同じことはかけないし、

完全なオーダーメイド。


エッセイは何度も何度も書き直さなければなりません。

ほんっとに時間かかります。

私は11月から始めましたが、

12月の中旬ではぜんぜん出来上がってなくて

12月に出願した大学はほとんど落ちました。

卒論をクリスマスまでにほぼ仕上げて

正月休みに徹底的に直して

なんとか形になったなと思ったのが

一月の中ごろでした。

受かったのはそれ以降に出願したところが中心です。

そりゃあ・・・

自分で読んで「まとまってないな・・」と思うのですから

受かりっこなかったですよね(笑)

人気どころの大学院は早めに締め切る傾向があるので

エッセイはなるべく早くとりかかることをお勧めします


皆さんが私と同じ誤ちをしなくてすむように

心から願います。