ドラマ「怪物くん」 | 音楽バカ一代目

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大野智ドラマ『怪物くん』、「演技がヤバいくらい上手い」と賞賛の嵐
 嵐・大野智主演で放映中のドラマ『怪物くん』(日本テレビ系)。言わずもがな、藤子不二雄Aによる人気..........≪続きを読む≫

以前ここでも「たぶん観ない」と書きましたが、

妻と息子が毎回観ているので、同じ時間に同じ場所にいれば

いやでも目に入ります。

数回観ました。


上記の記事のテレビライターは

どのみち事務所の回し者みたいな人物なので

書いていることを鵜呑みにしてはいけないかもしれませんが、

でも想像していたよりも面白い、のは確かです。

理由は恐らく出演者の演技云々よりも

テーマ設定の良さが際立っているからだと思います。

別に大野さんがうまいわけでもありませんし、

オオカミ男はクルリンパのキレ芸芸人、

フランケンは「フンガー」しかセリフがないし、

八嶋さんがうまいといっても彼の良さが充分引き出される役でもありません。


人間は「クズ」だ、だから滅ぼそう。という宇宙や地獄から来た悪者と

人間の「善」の部分を信じ、人間を助けようとする善い者との対決は

ウルトラマンや戦隊ヒーローものなどで良く使われるテーマで、

怪物くんもこれに沿った設定ではあるものの、

既存の他作品と大きくことなるのは

主人公がそもそも人間の善悪について無頓着で

話が進むたびに人間の良い部分を知ったり学んだりしていく点です。

普通は「イイモン」は最初から「イイモン」ですけど

怪物くんはそうではありません。

「なんだよそれ」みたいな悪態をつきながらも徐々に

人間の良さを知って、人間を助けたりすることで

自分も成長していく、という過程を追うストーリーにすることで

最初から善のスタンスにいるヒーローとは異なる、

また人間が主人公となって同じことを伝えるよりも

明解なメッセージを送ることができています。


前回の「お年寄りを大切にしよう」などというテーマを

登場人物が人間だけの設定で発信しようとすれば

「そんな奴はおらへんやろ~」と

大木こだま師匠に突っ込まれかねないほどの

クサイ芝居を目にすることになりそうですが、

それを学び、知るのがそもそも人間でもなんでもなければ

どれほど懇切丁寧に表現しても不自然な印象は与えません。

お婆さんが親切心でカレーライスに生卵を落とすのを

「ふざけんな」と切れて悪態をついても

「だって人間じゃないもん」と必ず言い訳ができるのは

何をやるにしても有利です。

なかなかの設定で道徳教育をしているのでした。

教育テレビより効果ありそうです。


うまいところを突いたな、と感心しています。

なるほど、こういう手もあるんだな、というわけです。

で、人間のいいところを学ぶのが

「無知で頭の悪い怪物ランドのお坊ちゃま」となるわけですが

仮にナチュラルボケをうまく表現できるに違いないということで

キャスティングされたとしてもですよ、

これをイメージピッタリのはまり役だといわれても、大野さん

大してうれしくはないと思います。