こんにちは。

今日は長襦袢について書きます。

 

最近このような本を読みました。

長襦袢、和装するときの下着ですね。

下着といっても、肌襦袢と裾よけを着用してから長襦袢を着るので、洋装下着でいうところのスリップやヒートテックてきな役割だと思います。

実際の目的として、着物の汚れよけ、すべりをよくするため、防寒となっています。

 

こちらの本、少し前に弥生美術館の公式Twitterがツイートされてて気になっていたんですよ。

図書館で何気なしにファッションの歴史コーナーみたいな棚を見ていたら置いてあったので借りてみました。

表紙からしていいですよね。色っぽいです。

長襦袢って白や薄いピンクだけだと思っていましたが、このような華やかなものもあったとは知りませんでした。現代では薄い色が主流ですが、戦前までは花柄や動物柄、幾何学文様など多種多様な文様があったようで、そういった長襦袢をたくさ紹介されています。白黒ページがあるのが惜しいところ!全ページカラーで見たかったですショック!

半襟も白だけじゃなく、赤、ピンク、黒、青など様々な色のものがつけられていることがわかります。半襟で遊ぶのも面白そう。

長襦袢の柄は、というか長襦袢に限らずですが、私は鞠や打ち出の小槌が描かれているものが好みです。

紹介されているもので面白いと思ったのは、「海老」と「世界旅行」。「海老」は赤地に白抜きで大きな海老が描かれています。

「腰が曲がっているところから老人を連想させるのか、海老は長寿を象徴するめでたい文様とされる。海老という名にも、海の翁、海の老人という意味がある。」(56ページ)

海老がめでたいもの扱いされているとは知りませんでした汗

「世界旅行」はカラーで紹介されていますがなかなか面白いです。赤と白地にピンクやブルーを使った柄との横縞なんですけど(伝われ)あちこちに気球の絵が描かれています。また、「HONG KONG」とか「INDIA」といった英語が書かれています。さらにこれらの絵や文字がひっくり返っています。わざとなのかな・・・

「万国博覧会が開催されたり、ジュール・ヴェルヌの小説が人気を呼んだりと、人々の関心が外国へ、世界へと高まっていった時代。襦袢ならではの大胆で面白い図案。」(41ページ)

 

なんで長襦袢が下着なのにこんなに華やかなのかというと、江戸後期に発令された奢侈禁止令の影響だそうです。女性だけでなく男性も派手な長襦袢を着て、地味な着物の下に長襦袢で装飾性を競ったそうです。

でも、地味な着物の袖から派手な長襦袢がこぼれて見えたらちょっと色っぽくてどきっとしますよねラブラブ

今でもペチコートをわざと裾から出したりインナーをわざと見せたりする着こなしはありますが、そういうのもセクシー好きですが、長襦袢はわざと見せる意図がないからこその色っぽさだなあと思います。

 

というか、着物そのものが色っぽいですよね。訪問着とかカチッと着ているし色気を感じるアイテムじゃないのは承知なんですけど、襟元とかうなじとか手首とか、着物は着物からはみ出た体の部位を色っぽく映しますよね。柄も凄く艶やかで、いつか着物を日常的に着れるようになりたいです笑

洋服でも色っぽく着こなす方法はないのかな~

赤い長襦袢は遊女も好んで着ていたようですね。好んで、というかその方がウケがよかったのでしょうか。その辺りの詳しいことはわかりません。このような娼婦は時にファッションリーダーにもなりますから、赤い長襦袢を着た遊女が一般庶民には素敵に見えたのかなって思います。

 

ちなみに、中原淳一は1958年頃に、戦前までの華やかな長襦袢をその昔は美しかったのだと述べつつ、「現代の美しさは色彩的にもぐっと単純になって、そんなに幾種類もの色の重なりでは美しいと感じられなくなってきたのです。」「長襦袢はピンクとかレモンイエローなど無地の薄色のものを選ぶ方がずっとスッキリとして美しい。」「新しい感覚で和服を着る場合は、そで口や振から別色がのぞいているより、長襦袢にはそでをつけない方がずっとすっきりとして美しいということになる。」とおっしゃっています。(中原淳一『あなたがもっと美しくなるために 新装版』国書刊行会、昭和62年、28ページ)

 

価値観は人それぞれですねあせる時代とともに変わりますし。

振り袖の下に派手な長襦袢は必要ないと思いますが、私は地味な着物を着るときは華やかな長襦袢を仕込みたいですねドキドキ

 

洋服でも、地味な格好なのに脱いだら派手なキャミソールが現れる、なんてなったら色っぽいでしょうか?笑

でも、普段下着を見せる機会なんてないし、着物のチラリズムは色っぽいけど洋服だとなんか下品なんですよねーどうしたものか。

日頃着物を着る機会がないので、洋服の中にこの色っぽさを取り込めたらいいなと最近ずっと考えています。

 

以上。