こんにちは。

今日は廃刊した雑誌『Olive』について書きます。

 

本日、新たに4冊Oliveを入手しました。私のOliveコレクションが増えました。

 

Oliveは全部で12冊持っています。84年から88年頃のものを買っているので90年代のものは持っていません。

90年代の方が古本屋に出回っていて入手しやすいんですけどね。

80年代にこだわるのは、80年代のほうが私の求めるファッションが掲載されているからです。

 

Oliveと言ったらリセエンヌですが、創刊当初は違いました。

男性向け雑誌『ポパイ』の増刊号として、ポパイの女の子版として出たのが最初です。

創刊当初のOliveは『ポパイ』読者を交際相手として選ぶような女子大生を想定していたと言われています。

上差しこれは私が所有しているOlive創刊号。84年~88年頃のOliveと比べて入手しやすいです。値は張りますけど汗蔦屋書店では5000円で売っていましたね。私は1500円くらいで買えました。

 

内容もOlive少女感皆無でフランスというよりはイギリスやアメリカという感じ。紹介されているファッションは可愛いんだけど、ロマンチックではなくスポーティです。当初のOliveはアメリカかぶれだったと言われています。

 

有名な話ですけど、創刊号からしばらくは表紙の右上にある言葉はMagazine for City Girlsと書かれています。

Oliveは1983年9月3日号で路線変更を図ります。表紙の右上に書かれた言葉はMagazine for Romantic Girlsとなります。ロマンチック路線へ変更したのです。

読者のターゲットも女子大生からロマンチックに憧れる少女へと替えてしまいます。

1983年12月3日号では、リセエンヌ宣言をします。表紙には「オリーブ少女はリセエンヌをまねしよう!」という文句が書かれます。リセエンヌとはフランスの中・高校生の女の子たちのことだそうです。

雑誌が読者に指針を示すって面白いな~と思います。

上差しこれも私の所有物です。ロマンチック路線真っ只中のOlive。画像検索したらよく出てくるので見たことある方もいると思います。見たことある表紙だったので思わず買いましたドキドキ

 

Oliveを読めばわかりますが、ただのファッション誌じゃないんです。百貨店や雑貨店の情報が事細かに紹介されていたり服だけでなく雑貨や文房具などの小物がこれでもかと紹介されていたりします。オリーブ少女はこういう服を着て、こういう店に行って、こういう小物を持っていてくださいと言わんばかりに。服だけでなく持ち物や生き方まで雑誌がプロデュースしているように思います。

でも、ファッションってある程度ルールが決まっているほうがわかりやすくていいですよね。アイビーやトラッドなんかもルールがあるからオシャレ初心者でも何となく形が作れちゃいます。

パンクやヒッピーみたいなトラッドのアンチテーゼ的なファッションの方がどう着こなせばいいかわからないと思います。

 

私がOliveを知ったのは酒井順子というエッセイストの本を読んだ時でした。酒井順子さんはOlive紙面でコラムを書いていました。高校生の時に酒井順子さんのエッセイを読んでいて、ご自身の過去を振り返られていてそれでこの雑誌を知りました。

その時はあまり関心を持たなかったのですが、大学生の時に『ギャルと不思議ちゃん論』(著:松谷創一郎)という本を読み、ここでOliveが写真付きで紹介されていたため、可愛い!と興味を持ちました。

Oliveって入手困難なんです。特に80年代はなかなか古本屋に出回っていません。ある古本市に行った時に90年代のOliveに紛れて87年のOliveが1冊売っているところを発見し買いました。凄く嬉しかったです。百貨店特集をしている号で、ファッション誌じゃないの?と思いながら読みました。

この時はネットでレトロ雑誌を買うようなことはしていなかったのですが、社会人になり田舎に住むと近くに古本屋がないため、ネットでレトロ雑誌を探すようになりました。Oliveも探せば売っています。すぐ売り切れちゃいますが。そうして、なんとか80年代のOliveを集められるようになりました。

 

お気に入りはこの号です。

今も時々過去を振り返るような内容の雑誌は出ますが、この時代もそういうのあったんだ、と思いました。80年代のファッションてDCブランドブームがあったからかどこか独特で、この独特な雰囲気がスタンダードな時代には70年代のファッションが逆に新鮮に見えるのでしょうか?

表紙のモデルさんがかけているハートの眼鏡、欲しいです恋の矢

70年代のファッションだけでなく、音楽や何が流行ったかなども載っていて、70年代好きにはありがたい内容になっています。

何年か前にガウチョパンツが流行りましたが、70年代にはパンタクールという名前で流行っていたそうで、あれってリバイバルファッションだったんだ!と感心しました。

 

Oliveに載っているブランドで今も健在なブランドはMILK、ナイスクラップ、アニエスベーでしょうか。ヒステリックグラマーも載っているのですが、今のヒステリックグラマーってファンキーな感じだからOliveに服が載っているのを見た時はビックリしました。淡い水色のスタジャンに淡い色合いのスカートを合わせてめちゃくちゃ可愛かったです。

ナイスクラップは今でも可愛いですが、80年代のナイスクラップの方が私は好きかなラブ大きな薔薇やチューリップがプリントされたワンピース、今も出してほしいです笑

 

ピンクハウスをOlive少女のアイテムと混同されてる方がたまにいらっしゃいますが、ピンクハウスは違うんですよね。似たようなファッションは載っていますけども、ピンクハウスはカントリーである上に大人の女性が着ることを想定していて、Oliveのロマンチックな少女とは違います。

私はピンクハウスが好きですが、目指したいのはOlive少女の方です。少女という年齢ではありませんが、こういう気合いを入れてめかし込む格好してみたいです。しかし、肝心のOliveっぽいファッションをどこで入手していいかわからず・・・

80年代の服を売っている古着屋はたくさんあると思いますが、ああいうのってアメリカで売られていたような服のデッドストックを売っていることもあるじゃないですか。そうじゃなくて、日本で売られていたものがいいの!と思った時に手も足も出ない・・・

Oliveは読んでいるだけでも満足できちゃうので、ぼちぼちOlive少女を目指していけたらいいなと思います。

 

今の雑誌ではOliveっぽいのないですよね。たまに復刻しますがなんか違うんだよな~と思います。個人的に『ファッジ』と『クリューエル』はOliveに近いものを感じますが、こちらはフランスというよりはイギリスなんですよね。

今の日本の可愛いファンシーって韓国発祥のインスタ映えなシンプルでチープな可愛さで、こういうのも好きなんですけど、また80年代のロマンチックで少女趣味の強いファンシーさが流行ってほしいです。

 

今日4冊購入できたのでしばらくはOliveを読みふけっていると思います。

新たな気づきがあったらまたブログに書きます。

 

以上。

〈参考文献〉

酒井順子『オリーブの罠』現代新書、2014年