ちょっと思い出しただけ | アルヘイトのDiggin' on beers!

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ビールと料理をこよなく愛します。
飲んだビール、そして食事をジャンジャン載せていきたいと思ってます。



映画「ちょっと思い出しただけ」を観ました。





私は映画だけを観たので誰が原作をつくったのか、また誰がこの映画の構成を考えたのかは全く知らないのですが、とてつもなく繊細に制作された素晴らしい映画だと感じました。


余白がほとんどで、あとは人それぞれの想像力や解釈に任せるスタイルの映画。


こんなアプローチの映画は今まで無かったので、驚きとともに感動も覚えました。




物語はダンサーの男性とタクシー運転手の女性のカップルの話。


映像で流れるのは7月26日。この一日だけ。


その7月26日、一日だけスポットライトを当て、6年分(たぶん6年だと思います。)、つまり6回分を現在から過去へ巻き戻していくスタイルの撮り方をしています。例えば2024年の7月26日が最初のシーンだとしたら、次のシーンはは2023年7月26日、その次は2022年というように。


別れが最初、最後が出会いという感じで。


あとの余白の部分はああ、こうなんだああなんだと自分なりに解釈しました。


一組のカップルの喜怒哀楽、出会いと別れに寄り添いながら観たわけですが、なんだか色んな感情が私の中に込み上げてきて不思議な気持ちに包まれました。感情がものすごく渦巻いたのです。


今となっては昔お付き合いしていた人(その当時は彼女に対してものすごく一生懸命だったのです)の事をじんわりと思い出すことはほとんど無くなりましたが、やはり今でもずっと心の中にポッと温かいものが残っているものです。


こんな感じの感覚がこの映画にはあって、私自身にはすごく沁みました。


一つ大事な事を忘れていました。


この映画はある映画に触発されて制作されているのですが。(実際にその映画の中のシーンが何度も出てきます。また、その映画に寄せたような描写がところどころに感じられました。)


その映画は「ナイト オンザ プラネット」という名前の映画です。(これは邦題です。洋題はNight on earthだったと思います。)


世界の中の6都市(たぶん)で働くタクシー運転手を主人公にした映画だったのですが、ちょうど私が京都で修行している頃にお付き合いしていた人と一緒にこの映画をリアルタイムで観ました。(修行中は恋愛禁止だったんですけどね。笑)


6都市(たぶん)なので、6つの物語が順に流されるスタイルの映画です。その中の一話に女優ウィノナライダーさん主演のものがあるのですが、今回はそのシーンが幾度か出てきました。


ウィノナライダーさんが一番脂の乗った頃の映画だと思います。


随分文章を長く書いてしまったように、映画「ちょっと思い出しただけ」は私にとって色々と思い入れのとても強い映画となりました。


「ちょっと思い出しただけ」っていう名前を発しただけでもセンチメンタルになってしまいそうなくらいに。


私と同じように、心にポッと温かいものを今でもお持ちの方に是非観ていただきたいと思い、今回は特に一生懸命書きました。