前回ご紹介した藤田康範先生の論文の定義は簡潔ながら全てを言い尽くしています。
慶應の通信課程では、卒業論文は指導教員が決まらないと前には進めません。通学生ならゼミを決めるようなプロセスでしょうか。
残念ながら、とても良い研究テーマが見つかり、それなりの研究構想がまとまったとしても、そのテーマについて論文指導ができる先生が見つからなければ卒論の本指導には入れません。実際はその手順を踏んで卒論構想をまとめるのが一般的であり、そのようなケースは稀かと思われます。
ただ研究テーマがあまりに大きすぎたり、論点が曖昧であったならば、本指導の手前の予備指導に振り分けられるケースがあります。指導を受け持つ先生には引き受ける以上は提出までの指導の責任が伴いますので、学生と教員との間で研究方法のすり合わせを行います。いわば結婚前のお見合いみたいなもので、そこで方向性がマッチングすれば予備指導から本指導に格上げされて、本格的な指導がスタートします。
次回は問いの設定パターンについて述べます。