根を生やすということ | 慶應通信で実学を学ぶ

慶應通信で実学を学ぶ

【第78期】2024年4月に文学部1類に入学しました。学びに終わりはありません。

 建築家の安藤忠雄氏の言葉です。

 

 「若木に水をやり過ぎないこと。水を上からかければ根は上を向いて伸びようとする。根は地下水を求めて深く生やさなければならないのだ」

 


 大学で学ぶということと共通項があるなと思いました。


 『塾生ガイド』にすら目を通さずにSNSなどでやたら質問してくる初学生を見かけます。慶應通信の先輩は親切な方が多いので懇切丁寧に教えてくれます。果たしてそれでいいのかと思うときがあります。

 

 1990年中盤以降に生まれたいわゆるデジタルネイティブ世代は「Z世代」と呼ばれています。ネットを縦横無尽に駆使できることは羨ましくもありますが、自分は手足を使い、時間(手間暇)をかけることを大切にしています。


 理解不足や思い込み、勘違いで時間を無駄にしたことも多々ありますが、それでも50代のうちに2つの学部と1つの修士号を得られたことはそのやり方が間違っていなかったと思っています。


 実際に論文の完成に役立ったのは、図書館の書架で見つけた偶然の一冊であったり、慶友会でたまたま隣の席に座った学友であったりします。


 長年、研究に向き合っていると、遠く離れた点と点が一つにつながり光明を見出すことがあります。今、修士論文の書き直しを進めていますが、新たな発見や問いが見つかります。


 これまでお世話になった3人の指導教員は「答えは自分で出すもの」という姿勢を貫かれました。そのおかげで探究の根は今なお地下水脈を探り当てようと伸び続けているようです。