皆さま、こんにちは。

 

2泊3日(結果的には3泊4日になりましたが)の北海道旅を終え、

お昼前に仙台に帰ってきました。

昨日の早朝3時に宿泊先のすすきので大地震に遭遇、

それにしても、旅先で地震に遭遇するなんて

思いもしませんでしたよ。

 

本来ならば、この日は「青春18きっぷ」で

道央の駅巡りを楽しむ予定でしたが、

そんなことしている場合じゃありません。

これだけ大きな地震なら、ヘタしたら帰ることが出来ずに

帰宅困難者にもなりかねませんからね。

 

地震直後にニュースで報じられた交通状況はというと…

・新千歳空港の滑走路は問題がないことが確認出来たので飛行機は通常運行

・電車、バス、地下鉄、路面電車については不明

…とのことでした。

夕方の飛行機で仙台に帰る予定でしたので、

問題になるのは札幌-新千歳空港間の移動だけ。

万が一、JR千歳線が不通になった際の代わりの交通手段は

空港行きリムジンバスになりますけど、

前日に台風被害で千歳線が不通になった際に

3時間弱の待ち列が出来てたのです。

そこで、夕方ではなく早めに空港に着いてた方が得策と考え、

午前中に空港に移動しようと決めたのですが…

 

地震の発生から30分後に道内全域が停電。

これはヤバいと思いましたよ。

停電してるってことは電車が動かないってことですよね?

水道が寸断していることも、この時点でわかりました。

ホテル内のトイレが使用出来ないので長居も出来ず、

朝の6時過ぎにチェックアウト。

とりあえずは状況を確認すべく札幌駅に向かいました。

 

ホテルを出ると、所々にガラスの破片が散らばってるのを発見。

すすきののど真ん中のビルも被害があった模様。

 

路面電車やバスの姿をいつも見ることが出来る大通りもこの通りです。

この時点で、地下鉄と市電が終日運休を決めたことを知りました。

 

信号機もすべてダメみたい。

 

主要な交差点ではお巡りさんが不動の信号機に代わり

交通整理に当たられてました。

いつもですと軽やかな音楽が聞こえてくる街中なのに、

聞こえてくるのは車のエンジン音とお巡りさんが吹く笛だけという、

それはそれは異様な光景でしたよ。

 

途中のコンビニでパンとお茶を調達します。

東日本大震災の時もこれで苦労しましたので。

こちらのコンビニも停電中でしたが、

5時間ほどは店舗に備わる蓄電池でレジが動かせるとのこと。

電力がなくなり次第、閉店するって言ってましたっけ。

 

6時45分頃に札幌駅前に到着。

ここでもお巡りさんが交通整理に当たられてますね。

 

空港行きリムジンバス乗り場には長蛇の列が出来てましたが、

ここで交通に関する新たな情報が。

・新千歳空港はターミナルビルの破損により終日休業。

・空港のターミナルビルは閉鎖(中で休むことが出来ない)

・よって空港行きリムジンバスも全面運休

・というか停電のために運行管理が出来ないので他のバスも全面運休

ひょっとして自分、仙台に帰れなくなってる?

 

念のために札幌駅の中も見てきましたけど、

線路の安全点検には相当の時間を要するそうで、

運転再開のメドはまったく立っていないとのこと。

ここで初めて、地震規模が北海道の全域に及んでいることを知りました。

 

空路はダメ、函館まで行ければフェリーが動いてますけど(確認済み)、

鉄道やバスが不通なので函館まで移動することが出来ません。

となると残された手段は…

苫小牧港発のフェリーがあるじゃないの!

そこですかさず仙台港行き太平洋フェリーの空席をチェック。

B寝台に空きがある!!!

もちろんスグに予約を入れましたよ。

「まだ僕には帰れる所があるんだ。こんなに嬉しい事はない。
わかってくれるよね、ララァにはいつでも会いにいけるから…」

アムロもきっとこんな気持ちだったのだろうな。

 

しかーし!

問題は苫小牧港まで行く交通手段です。

鉄道やバスは不通なので常套手段は利用することが出来ません。

レンタカーの乗り捨てプランも考えましたが、

ガソリンスタンドが営業をしていないために貸し出し不可状態。

タクシー移動が唯一の方法でしたの。

 

ちなみに料金をお聞きしたところ、およそ24,000円みたい、わぉ!
札幌市内発のタクシーは料金が5,000円を超えた場合、
超過料金に対して30%が減額される割引料金があるそうですが、
それでも20,000円近くはかかるそうです。
緊急事態なのでその出費もやむなしなのですけど…

 

ここでサプライズな出来事がありまして、

その話を聞いてたタクシー待ち列のご夫婦から声を掛けられたのです。

ご自宅が苫小牧市内にあるそうで、

千歳市内に駐車してある車までタクシーに同乗出来れば

港まで送ってくれるとのことでした。

「困っている時はお互い様ですから」

ご夫婦の恩は絶対に忘れませんからね。

 

すると今度は前方から

「千歳市内に一緒に行く方はいませんか?」と。

飛行機が再開するまで千歳市内のホテルに連泊を決めた

福岡市内在住のサラリーマンさんで、

結局、ご夫婦と合わせて4人で千歳市内に向かうことになったのです。

 

高速道路は一部区間が寸断されていたために
タクシーは下道を走行。
千歳市内までは1時間半くらいかかったかな?

目的地に到着するとサラリーマンさん、
「タクシー代は会社の経費で落ちるから気にしないで」
といってすべてを清算、足早に姿を消されたのですよ。

えっ!? マジっすか?

 

その後は、ご夫婦の車に乗って苫小牧港に到着。

ご夫婦にお代を受け取ってくれるよう頼みましたが、

「また北海道に来てくださいね」

という言葉を残してご帰宅されました。

もう涙が出ちゃいそうでしたよ。

 

こうして無事に乗船チケットをゲット。

この瞬間、安堵の気持ちから腰が抜けそうになりましたわ。

 

乗船したのは来年1月に引退するきたかみです。

フェリーがこれほど頼もしく感じたのは初めてかもしれません。

 

結局、JR北海道の全駅訪問達成は次回に持ち越し、

でも今回は仕方がありませんよね。

 

こうして無事に仙台に帰宅。

仙台港には、苫小牧港行きの船舶にに積み込まれる

自衛隊の車両が待機してました。

…ということで、本来の目的であった

「JR北海道のすべての未訪問駅を周ること」は

復旧作業が落ち着いた頃に計画を立てたいと思います。

この2日間は大変なことばかりでしたけど、

人の優しさに助けられ、その気持ちが払拭された気がしましたよ。

嗚呼…結局青春18きっぷを余らせてもうた。

 

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