皆さま、おはようございます!


石北本線・上越信号場 の項でも書きましたが、

上川駅を出発した普通列車が次の下白滝駅に到着するまでに、

50分近くもの時間を要しているのですよ。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-c1216c


この間にはもともと4つの駅があったのですが、

天幕駅が平成13年に廃止になり、

残りの3駅も、中越信号場・上越信号場奥白滝信号場 と、

列車を行き違いさせるための信号場に変わっているのです。


今回はこのうちの、もともとは中越駅であった、

中越(なかこし)信号場のことを書きたいと思いました。




そもそもこの中越信号場の起源は昭和4年に開業した中越駅で、

昭和7年に石北本線が全通するまでは、

終着駅だった時代もあったんですよ。


こちらは昭和23年に撮影された中越駅周辺の航空写真ですが、

転車台も備わり、終端駅らしい風景だったことがよくわかります。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05211/中越信号場

画像左側(西側・上川方面)に転車台が写りこんでるの、わかりますかね?


開業当時は、機回し線を挟んだ

相対式ホーム2面2線構造だったようですけど、

これはのちに改良され、

島式&相対式ホームによる2面3線に変更されたみたいで。


昭和52年に撮影された航空写真を見ますと、

使われなくなった転車台や、

新設された停留所タイプのホームが確認出来ました。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05210/中越信号場



平成13年に中越駅は信号場に格下げされてしまいますが、

辺りに民家が無くなったこと

がその理由だったんですって。


確かに2枚の航空写真を見比べても、

消えゆく民家の様子がわかります。


ちなみにこちら、現在の中越駅の様子がわかる航空写真ですが、歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d0521a/中越信号場

転車台どころか、集落の跡地までもが

草木で覆われちゃってるみたいで。

すべてを土に還す大自然の力、恐るべしって感じですね。



そんな中越信号所に、

昨年10月に行ってきましたのよ。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05212/中越信号場

まずはこちら、駅舎がそのまま保線倉庫として残る、

現在の中越信号場です。


辺りはしーんと静まりかえっておりました。

目の前を国道273号線が通るのですが、

ここ、交通量が本当に少ないんですよね。

ここがほんの10年前まで駅として営業してたなんて、

マジで信じられん。


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05213/中越信号場

駅廃止直前は、1日に1往復の普通列車しか停まらず、

「日本で一番乗車チャンスの少ない駅」だったみたい。


駅舎の裏側に回ってみました。


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05215/中越信号場

駅舎の裏側にはその昔、ホームがあったようですけど、

辛うじて盛土に形跡を残しているだけで、

表札類を始め、何にも残っておりませんでしたのよ。


そして、平成13年まで使われていたホームですが…


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05216/中越信号場

歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05217/中越信号場

こちらも完全に撤去されちゃったみたい。

手前に延びる保線車両の側線が駅時代の唯一の遺構かな?



駅の周囲には石北本線の全線開通を祝した石碑を始め、

人がいた気配を感じさせるものが、

今でも多く残っているんですよ。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05214/中越信号場

歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05219/中越信号場


国道273号線をドライブの際には、

今でも残る、でっかな「中越駅」の看板が目印です。

廃線マニアな方は要チェックですよ。


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d05218/中越信号場

なお、ここは廃線ではありませんので、

線路内の立ち入りは厳禁ですぜ。


特急列車がマジで高速で通過します。中越駅、今でも現役の信号場ですからね。