皆さま、おばんです!

国鉄型の特急型直流電車というと…
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181系電車  おっさん…(ノ_-。)

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183系電車

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185系電車

そして…
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189系電車と続きます。

ネットを見ますとよく、
「なんで187系電車は欠番なの?」
という質問が出てますが、登場順に並べると、
181系→183系→189系→185系となります。
187系が決して欠番という訳じゃありませんので、念のため。

それじゃ、187系電車はまるっきり存在しなかったのかというと、
実は計画だけはしっかりとありまして、
一部の雑誌には、登場予定の形式として掲載されたこともありました。
この辺りの事情は、
「鉄道ピクトリアル 通巻567号<特集>183・189系電車(Ⅱ)」中の、
福原俊一さんの記事「幻の187系特急形直流電車」
詳しく掲載されております。

自分が187系電車の計画を始めて知ったのは、
「鉄道ファン 1985年11月号」に掲載された
「昭和60年度の車両改造計画」でした。
ここには「車体更新改造(のちの717系電車・キハ38形気動車)」、

「青函トンネル用電気機関車改造(のちのED79形電気機関車)」、

「12系客車の普通列車転用改造(1000番台・2000番台車化)」など、
どれも後に実現したものばかりが列挙されておりますが、
そんな中には耳慣れぬ、
「横軽特急電車改造」という項目があったのですよ。

これを簡単に説明しますと、
それまで189系・489系電車は
信越本線の急勾配区間である碓氷峠を通過する際に、

EF63形電気機関車と協調運転を行うために、
所定の速度以上にスピードアップを図ることが出来ませんでした。
そこで、新形式となる187系電車は出力増強と台車の改良を行うことで、
単独で碓氷峠を通過できるというものだったようです。

編成は全動力車の4両編成ユニットの中間に、
展望サロ(グリーン車)を挟んだ9両編成とされ、
昭和60年度中には9両編成1本が登場予定とアナウンスされました。
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(鉄道ピクトリアル 通巻567号より)

昭和60年3月のダイヤ改正で余剰となったサロ183を種車に改造され、
完成の暁には、東京-長野間を14分間短縮する予定だったようですね。
しかしその後は187系電車の名を聞くことはなく、
現在はこの区間を北陸新幹線が走っているわけなのですよ。

では、計画自体はどうなったのかというと、
従来型電車(189・489系)自体のスピードアップが実施され、
187系電車計画の存在自体が希薄になったとのことで、
取りやめになってしまったようです。

そして、この改造計画のために集められたサロ183ですが…
近郊型電車のグリーン車への改造種車に再転用されて、
サロ110(300番台)として最後の活躍をしたのでした。

この話、ついこの間のことだと思っていたのに、
既に28年が経過した話だったのですね。
そりゃ自分も歳取るわけですわ。

最後に「鉄道ファン 1984年10月号」に掲載の
205系電車の完成予想図です。
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昔の雑誌を広げると、
止められなくなっちゃいますな。