☆愛の城


 永遠の愛。
 それは砂でできた城のように儚い。
 何者かの風の手が、いつもそれを足元から崩していく。
「ねえ、あたしたちの城はいつ完成するの?」愛に疲れた彼女が言った。「あたしの手は、こんなに荒れ果ててしまった」
「いつから築き始めたかさえも」と俺は言った。「長い時の中で、忘れ去ってしまった。だが、人はみな砂の城を築き続けるんだ。愛する心がある限り」
 二人の耳に、またあの荒れ狂う風の音が聞こえてきた。
 二人は、涙の枯れた眼を閉じ、耳をふさいで、ただその風が通り過ぎていくことだけを願った。


     END


作者コメント

子供の頃、姫路城のプラモデルを作った記憶があります。外国の城だと、ルートヴィヒ二世が建造したノイシュバンシュタイン城が見てみたいですね。