★美術館レポート★
<リンドベリの器で楽しむ暮らし>
20世紀の北欧デザインを語るうえで欠かせない人物が、スウェーデンを代表するデザイナー スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg) です。
彼が手がけたテーブルウェアやアート作品は、今なお世界中で愛され続けています。
■スティグ・リンドベリ [ドミノ]シリーズ/アートウェアセット(一部)
■(左)スティグ・リンドベリ[カーニバル]シリーズ/卵入図花入
(右)スティグ・リンドベリ[カーニバル]シリーズ/三人の人物図花入(裏面:雄鶏に乗る人)
リンドベリが最初にデザインしたティーセット[カデット]が製品化されたのは1941年です。
その後、1955年の国際博覧会「H55」では、新作[コロラド]やカラフルで実験的な作品を発表し、世界の注目を浴びました。
その後次々と新しいモデルを発表し、50年代には[サリックス]や[ペンシル]など、グラフィカルでモダンなデザインが人気を集めました。特にリーフ模様の[ベルサ]はリンドベリの代表作で、現在も愛され、北欧デザインのアイコン的存在になっています。
■スティグ・リンドベリ [ベルサ]装飾、[LL]モデル/ディナーセット(一部)
■スティグ・リンドベリ [ビルカ]装飾、[LT] モデル/ディナーセット(一部)
また、リンドベリは人物と動物をモチーフとした革新的なフィギュア作品を制作しました。
■(手前)スティグ・リンドベリ《ラマ》
(左奥)スティグ・リンドベリ《髪を編んだ女》
(右奥)スティグ・リンドベリ《男の頭(大きな人物像の一部)》
■(左から)スティグ・リンドベリ[スプリンガレ]シリーズ/大きな鳥、
スティグ・リンドベリ[スプリンガレ]シリーズ /馬、赤い絵付装飾の珍しい作品、
スティグ・リンドベリ[スプリンガレ]シリーズ/大きな馬
リンドベリは日本の陶芸にも関心を持ちました。
伝統と革新の融合という日本的な発想は、彼自身の作品にも新しい風を吹き込みました。
その影響は、シンプルさと遊び心を併せ持つ彼のデザインに表れています。
■(手前2つ) スティグ・リンドベリ 《ティーポット》
■(右から)スティグ・リンドベリ《タイル》、スティグ・リンドベリ 《鳥花図大皿》
展示会場では、ユーモラスにデザインされた子ども用食器やリンドベリが挿絵を描いた児童書、トランプカード、原画のスケッチもあわせて紹介されています。
■スティグ・リンドベリ、ヴィルヘルム・コーゲ(デザイン)
[サーガ]装飾、[EC]モデル/子ども用食器セット:マグカップ
本展の図録を執筆したマリーカ・ブーグレーンさん(美術・デザイン史学博士、国立歴史博物館コレクションマネージャー) からは、「会場で、何か新しいものを、好きなものを発見したり、またこれからゆっくりご覧になって、また新しいステージの世界を楽しんで欲しい」とメッセージをいただきました。
■(左から)イエスペル・デュエホルム=リンドベリ氏(スティグ・リンドベリ・デザインABのCEO、 リンドベリ家所蔵コレクションのコレクションマネージャー)、マリーカ・ブーグレーン氏
■20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展
会期:2025年8月21日(木)-9月7日(日)
会場:日本橋髙島屋S.C. 本館8階ホール
(東京都中央区日本橋2-4-1)
※2025年9月10日(水)-9月21日(日) 大阪髙島屋 7階グランドホールへ巡回
■アートツリー出版社の投稿できる写真雑誌『PHOTOSAI』では展覧会情報を掲載しています。
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