現在、渋谷のSAIで開催中の『ボルメテウス』展を観てきました。本展はSNS由来の制作背景を持つアーティスト13名によるグループ展です。まずは作品をご覧いただきましょう


横手 太紀《when the cat's away,the mice will play》

 瓦礫の山です。見た通りの。実際解説文にも「彫刻棟の解体瓦礫」と書かれています。ただ不思議なことに、この瓦礫、浮いているのです。こんな風に。しかもぐるぐると回転しています。磁気で浮いていると思うのですが、やはり不思議です。



池内啓人《#2402》
 メカの塊のようなガスマスクを身に付けています。池内さんの作品はいろいろな既存の物体をコラージュして作られているのですが緻密で完成度が高く、実際に動作する高機能なガジェットに見えます。掃除機?を持っているようなので、未来のお掃除人でしょうか。



《砂の本》
 布施 琳太郎さんと八木 幣二郎さんの作品は光りそうなのですが、光るのでしょうか。



GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(ギロチンドックスギロチンディと読むそうです)さんの作品はタイトル文字が読めません。作品に書いてある文字からすると、世界の終末を描いているようです。



 梅沢 和木さんの作品は完全にカオスです。ネットに散らばる画像で再構成されたこの作品は、ある意味、本展にもっともふさわしいように思います。

 タイトルの「ボルメテウス」とは調べたところ、カードゲームに使われている名称のようです。これが切り札なのでしょうか。

 作品に共通するのは色々な物やイメージの寄せ集めでできていることです。寄せ集めというとイメージが悪いですが、現代的な言葉で言えば、リミックスとかコンピレーションとかまとめサイトといったところでしょう。それはさまざまな情報が散らばるネット文化の共通項なのかもしれません。

SAI
『ボルメテウス』は6月23日まで開催中です。
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