現在、六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートで開催中の「私が死ななければならないのなら、あなたは必ず生きなくてはならない」を観てきました。
最初にこの長いタイトルの由来を説明する必要があるでしょう。このタイトルはパレスチナの詩人リフアト・アルアライールが書いた詩の冒頭部分です。リフアトはこの詩を投稿した翌月にイスラエル軍の空爆によって命を落としました。
パレスチナのガザ地区では今なお激しい戦闘が続き、多くの人々が避難民となっています。この地域は地政学的にも歴史的にも民族的にも宗教的にも複雑錯綜を極めており、簡単には理解も説明も難しいものがあります。私はただ戦闘をやめ平和的な解決を祈ることぐらいしかできません。
本展のキュレーターを努めたヘンク・フィシュのねらいは「拡声器」にあるそうです。パレスチナのアーティストの声を届け増幅する。それによって現地で起こっていることに目を向けてもらう。すぐに事態が解決するわけではないかもしれませんが、どこかで状況の改善につながるかもしれません。
小さな会場には多くの人たちが訪れリフアトの詩に目を向けていました。
「私が死ななければならないのなら、あなたは必ず生きなくてはならない」で始まるリフアトの詩は次のように締めくくられています。
それが希望となるように
それが物語となるように
ワコウ・ワークス・オブ・アート
「私が死ななければならないのなら、あなたは必ず生きなくてはならない」は6月29日まで開催中です。
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