天空の贈り物を探す旅に出かけませんか。

 ということで、現在、横浜そごう美術館で開催中のKAGAYAさんの個展「天空の贈り物」展を観てきました。

 KAGAYAさんは星空写真家でありプラネタリウム映像クリエイターです。本展では新作約30点を含む100点あまりの「天空の贈り物」つまり、星空写真を見ることができます。まずは一枚ご覧いただきましょう。



 脳内バグを起こしそうな星空写真です。空は満点の星々、大地には満開の桜、そして地面は一面雪景色です。いったいこれはいつの季節の写真なのでしょうか。いやそもそも一体どうやって撮影したのでしょうか。合成写真かよくできたCGにしか見えません。これが自然の景色だとしたら奇跡的な1枚といえるでしょう。ところが本展はそんな奇跡的な星空写真のオンパレードなのです。




 言葉も説明もいりません。すばらしい天体ショーに魅了されます。



 撮影された写真はすべて奇跡的な瞬間を捉えたように見えます。しかしもちろんそんなことはありません。KAGAYAさんが全世界を渡り歩き、機材と技巧を駆使し、太陽が沈む夕闇から朝まで星空写真を何千枚何万枚も撮り続けた中から選び抜かれた1枚を展示しているのでしょう。

 しかも本展のハイライトはこれだけではありません。新作の映像作品「天空の贈り物」が目玉です。これは壁面いっぱい地面にも広がる星空動画の映像作品です。美しい星空ショーに没入することができます。雲はゆったりとたなびき、星々は輝きながら天空を移動し、時に流れ星が夜空を走り去るのです。これを見ると広大な宇宙の中で地球はほんのちっぽけな世界であることが実感できます。あえて写真は撮りませんでした。ぜひ会場でお確かめください。



 美しさだけでなく、ところどころで紹介される星空の科学的な説明も見どころです。勉強にもなる展覧会なのです。お子様連れにもおすすめします。

 さて「天空の贈り物」ですが、展覧会の最後では、実は「天空の贈り物」とは地球そのものだということがわかります。KAGAYAさんは「私たちの身体とまわりの自然はつながっています」と言います。私達もまた天空の一部なのです。そんな星空体験をぜひご覧ください。

横浜そごう美術館
「天空の贈り物」展は7月1日まで開催中です。