現在公開中の川西拓実さん、桜田ひよりさん主演の映画「バジーノイズ」を観てきました。

 人との関わり合いを避け、ひとり音楽づくりに打ち込む清澄。そんな彼の日常にひとりの少女が乱入してくる・・・。

 これは音楽の映画です。音楽映画って難しいと思うのです。何よりも演奏される音楽が素晴らしくなければ成立しないからです。その点、本作の音楽は私はかなり気に入りました。劇中で桜田ひよりさん演じる潮が言うように「さみしくてあたたかい」雰囲気がよく出ているからです。清澄が一人で打ち込む音もいいのですが、そこからアンサンブルが増えるにしたがって曲に奥行きと広がりがでるところも味があってよいのです。

 清澄を演じた川西さんは自分でもDTMをやっているそうで、演奏する姿も様になっています。陸を演じた柳俊太郎さんは未経験だったそうですが、監督の「代役なし」という厳しいお達しで特訓した成果もあり、実にかっこいいロック・ベーシストになっています。

 でも一番驚いたのは円井わんさんです。円井さんが出てると思ったら、ドラム叩いているで二度ビックリ。調べてみたら彼女は特技がドラムなんですね。おみそれしましたです。

 毎度ヒロインで見る映画を決める私のお目当ては、もちろん桜田ひよりさんです。桜田さんといえば英勉監督作品では、性別不詳の高校生役を演らされたり、ハゲヅラにダボシャツの役とか美少女も台無しな扱われ方でした。もっとも本人は実にノリノリで演じてましたけど。それが本作では正統派の美少女ヒロインです。大画面でドアップになると画面の半分ぐらいが目ではないかと思える美少女全開です。

 ということで音楽的には素晴らしい本作ですが、登場人物のキャラクター描写はいまひとつ薄味というか、あっさりしています。音楽業界って実はもっとドロドロだと思うのですが。原作はむつき潤による同名コミックです。私は未読なのですが、原作もこんな雰囲気なのでしょうか。
240514