前回に引き続いて、特別編上海上陸編をお届けします。

 私が前回上海を訪れたのは2019年末、つまりコロナ禍直前でした。あれから4年。上海はロックダウンを経験し、様々な変化があったようです。

 4年ぶりに見た上海は以前あったものがなくなり、新しい建物も出来つつありました。代表的なものでは古北地区のカルフールという大型スーパーが姿を消し、代わりに蘇寧という家電量販店が入っていました。最も商品は置かれていますが電気は半分消え人気もなく、ゴーストタウンのようです。中国ではネット購入が基本なので、ここはそのショールーム的な位置付けなのでしょう。ほかにも駐在日本人ならご存知の星空広場も閉店状態、ヴィトンビル地下の食堂街も閉鎖されていました。シティスーパーという外資系スーパーや伊勢丹も撤退閉店しています。総じて大型の商業施設や外資系スーパーは軒並み閉店または撤退という状況です。代わりに建物の1階に軒を連ねる飲食店や食品店は以前と変わりないようです。

 上海といえば海に近い港湾都市ということで、海外の文化がいち早く入ってくる都市というイメージでした。今はそのイメージが薄れ、地方の都市とあまり変わらなくなってきた感じがします。

 その中で驚いたのが、上海の、というか中国的にも世界的にも有名な南京路の歩行街の人気ぶりです。労働節の休暇中ということもありますが、週末の銀座の歩行者天国の五倍ぐらい人が集まってます。警察があちこちに立って警備するぐらいです。銀座と違うのはほとんどが中国人だということです。恐らく全中国から観光客が押し寄せているのでしょう。この路はそのまままっすぐ外灘につながっているので、みなさんそこを目指しているのです。この人の多さは2010年の上海万博以来です。

 ところで中国ではキャッシュレス、モバイル決済が常識化しています。現金はもちろん財布すら持たない人がほとんどだとか。このモバイル決済は中国人にはお馴染みですが、外国人には色々使いにくいことが多く、なかなかに不自由します。最後の砦は現金なわけですが、何しろ今は円安。空港で両替したら1万円がわずか359元にしかならず、驚愕しました。レートが悪い上に手数料として40元とられるのでこうなるのです。これから中国旅行を計画されるかたは、決済手段について調べておくことをおすすめします。
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