現在、中目黒の104GALERIEで開催中のアレックス・カネフスキーの個展「The Battle of Shahbarghan」を観てきました。

 アレックスが描くのは彼方にそびえる雄大な山の絵です。しかしその絵の下半分からは絵の具がしたたり落ち、その山は描かれた平面にすぎないことが強調されています。



 室内を描いた絵ではベッドの上に裸の女性が座っているのですが、その姿は奇妙にも二重三重に重なっています。これは鏡に映った画像のようです。

 アレックスはコロナ禍で人と会うことが全くできなかったといいます。しかし、それは彼にとってはさほどの影響を及ぼしませんでした。アレックスが住むニューハンプシャーにはもともと人がたくさんいないからです。

 本展のタイトルはおよそ300年前のインドで起きた戦いの絵に基づいているそうです。私にはその真意はよくわかりません。アレックス自身、「言葉では説明できない何か」を描くために絵を描いているのだといいます。そんな個展の見どころを紹介するのはとても難しいのですが、アレックスの描く絵からは不思議な魅力を感じます。エドワード・ホッパーが都会の孤独を描いたように、アレックスは人が少ない場所での孤独を描いているからのように私は思いました。

104GARERIE アレックス・カネフスキー個展「The Battle of Shahbarghan」は5月11日まで開催中です。
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