現在東急シアターオーブで公演中のミュージカル「オペラ座の怪人」を観てきました。

 19世紀末、パリ・オペラ座。その暗闇の中にはオペラ座のゴーストが住んでいる・・・。

 原作はガストン・ルルーの小説。ミュージカルはロイド=ウェーバー版が有名ですが、本作はイギリスの演出家ケン・ヒルの手によるものです。

 私は正直なところ、ミュージカルは門外漢です。ウェーバー版との違いはよくわかりません。ただ全体的に恐ろしさの中に、ところどころユーモアが混じっているのが印象的でした。このあたりがイギリスティストなのかもしれません。

 舞台装置は必要最低限ながら、場面場面の雰囲気がよく表されていました。怪人の登場シーンなど、あれ、いつのまに現れたんだろうみたいな演出も楽しめます。

 歌の評価も私には出来ません。私が聞く限り、もう完璧といっていいほどの歌声だったと思います。

 英語版なので歌もセリフも全編英語です。このため舞台の両サイドに縦型の字幕モニターが立てられています。ただ、これを観ながらだと出演者から視線がどうしても離れてしまいます。途中から字幕を追うのをやめました。セリフも歌もそんなに難しい英語ではないので、多少飛ばしても、字幕は観ないほうが歌に集中できると思います。

 「オペラ座の怪人」自体は、何度も舞台化・映画化されています。それぞれの作品によって解釈は異なるのでしょう。このケン・ヒル版では、オペラ座の怪人はどう考えてもサイコパスのストーカー男です。正直1ミリも共感はわきません。それとも人によっては愛に殉じた哀れなロマンチストに見えるのでしょか。
240124