現在、横浜そごう美術館で開催中の『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』展を観てきました。本展は19世紀後半にイギリスで起こったアーツ・アンド・クラフツ運動を紹介する展覧会です。
19世紀後半のイギリスといえば産業革命の時代です。蒸気機関というエネルギーを手に入れて、世はまさに大量生産大量消費の時代に突入しつつありました。
そんな時代に公然と反旗を翻したのがウィリスアム・モリスです。彼は「こんな時代はあきまへん」と思ったのかどうか、「機械が人間の労働から創造性を奪う」と唱え、生活と芸術の統合を目指して、アーツ・アンド・クラフツ運動を立ち上げたのです。
本展の展示品の多くはタペストリーやテキスタイルです。その多くは、すいかずら、チューリップ、ざくろ、るりはこべなどの植物をモチーフとしています。イギリス周辺だけでなく、遠くペルシアや中国の自然や植物も取り入れられており、すでに国際色豊かになっていることがわかります。それらは人の手でしか描くことができないなんとも言えないやわらかさと暖かみがあります。その魅力は100年たった今でも、少しも色あせることはありません。
そごう美術館
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」展は11月5日まで開催中です。
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