現在公開中のマーベル映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』を観てきました。

 アベンジャーズとしてサノスと闘い、全宇宙を救ったアントマンことスコット・ラング。彼と彼の家族はあることがきっかけで量子の世界に吸い込まれてしまう!

 マーベル映画は本作が28作目。アントマンシリーズとしても3作目となります。これだけシリーズが長いと問題は、途中から見始めてはたして面白いかどうかでしょう。本作も少なくともアントマン前2作を観ていたほうが楽しめるのは確かです。ただ初見だからといって楽しめないことはありません。家族を救うシンプルな物語だからです。

 エンド・ゲーム以降のマーベル映画はファンタジーやマジック色が強くなったり、「ブラック・パンサー/ワカンダ・フォーエバー」のようにテーマ自体が重たくなったりと、ヒーロー映画としてはあえて難しい路線を選んできました。それはヒーロー映画の世界観を拡充するために辿らなければならない道なのでしょう。

 本作では元の明るく楽しいヒーロー映画に戻ったように思います。スーツを着用すればスーパーパワーを発揮するも、中身は普通の家族思いのオッサンにすぎないアントマン/スコット・ラング/ポール・ラッドのキャラクターによるものもあるでしょう。

 悩ましいのはタイトルにもある「クワントマニア」です。本作の主要な舞台は量子の世界なのですが、そもそも現代物理学ですら量子の世界のことはよくわかってません。ふつうの人が見たら「なんじゃこれ」な世界になってます。お前はシュレディンガーの猫だ!と言われてねえ。

 本作では、主人公であるアントマン/スコットラングとワスプ/ホープ以上に、親であるマイケル・ダグラスとミシェル・ファイファーが大活躍します。いきなり観ても物語が成立するのはこういう勘所に大名優を持ってくるところなんですよね。ちなみに二人は初代アントマン/ワスプでもあるはずなので、タイトルは二代にわたるヒーロー/ヒロインを指していると考えられます。

 映画の中では、こんなところにこんな人物が!というサプライズもあります。どこで誰が出るかはお楽しみに。また恒例のエンド・ロール後のおまけ映像もしっかり復活していますので、最後の最後まで席はお立ちにならないように。
230221