前回の映画大賞に続き、第二回アートのみかた美術展大賞2021を発表します。

 映画大賞同様、最低基準は以下の通りです。

70点・・・その美術展を観たい人にはお勧め
80点・・・万人におすすめ
90点・・・必見!

 あくまでも私が人にお勧めしたい度合で採点しています。

 なお採点集計の都合上、対象美術展は2021年1月1日から12月26日までに鑑賞した美術展です。

 当該期間に鑑賞した美術展は155展。そのうち90点を獲得した展覧会は3展だけでした。

東京都現代美術館「ライゾマティクス_マルティプレックス」
寺田倉庫G1ビル「バンクシーって誰?」
銀座蔦屋書店「清川あさみ TOKYO MONSTER,reloaded」

 この3展の中で大賞に輝いたのは、




「清川あさみ TOKYO MONSTER,reloaded」

に決定しました!

 清川さん、おめでとうございます。

 この3展に共通するのは、私の心が『ゾワリ』としたことです。

 清川さんの作品は、どう表現していいかわかりませんが、『今』のTOKYOの姿が1枚の作品にすべて込められているように思います。

 それは例えば顔のない無名性であったり、ファッション性であったり、あいまいさであったり、などなど、ちょっと一言では言い表せません。



 「ライゾマティクス」は確かにこれからのアートを予感させる展覧会でした。

 ただ、それ以上に、失敗を糧に挑戦を続ける姿勢が素晴らしい。本展の一番の見ものは、失敗して制作物が爆発するNGビデオ集かもしれません。




 「バンクシーって誰?」展は、作品が設置された街並みそのものを再現する展示に感動しました。これはテレビ局の制作チームが手掛けたそうです。忠実な再現を目指すために、警報器の実物を取り寄せルなど、その努力に敬意を払いたいと思います。

 さて、みなさんの大賞は何だったでしょうか。年末のこの時期に振り返ってみるのもおすすめです。

 今年1年間、ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。来年も皆様のお役に立てるようなレポートを続けてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
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