現在公開中の押井守監督の映画「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を観てきました。


 ネットが星を覆いながらも、国家や民族がなくならない近未来。対サイバー犯罪の特務組織「公安9課」の草薙素子は、義体を操る凄腕のハッカー人形使いを追う。その正体とは!

 始めに。私は士郎正宗さんの原作コミック「攻殻機動隊」は第1巻は読みました。スカーレット・ヨハンソンの「GHOST IN THE SHELL 」は見たことがあります。この押井守監督版は今回が初見です。というぐらいのレベルのレビューという前提で以下ご覧ください。

 本作が制作されたのは1995年。そして劇中の舞台設定は2029年。今から8年後なんですね。

 その世界観は今見ても全く古さを感じません。25年前の映画とは思えません。

 もちろんIMAXで観たのですが、画面の情報量がハンパありません。この映画、上映時間80分なのですが、じっくり見てると2時間分は優にありそうに感じるほどです。

 正直、原作の印象からすると、アニメらしい派手なドンバチ映画かと思っていたのですが、さにあらず。もっと思索的というか哲学的な映画でした。

 内容的には原作第1巻の色々なエピソードをリミックスしながらも、別物の作品となっています。

 そもそも主人公の草薙素子のキャラクター設定自体が若干異なっています。

 原作版は悪を叩くヒロインとして描かれています。性格も喜怒哀楽豊富なキャラクター。映画版は自分自身を深く省みるキャラクターになっています。それによって映画全体も内省的な雰囲気となっているわけです。

 映画としては執拗な背景描写とか芸の細かい武器の扱い方とか微妙な間が独特の魅力を産んでいます。もちろん音楽も。押井守監督のプロモーションビデオみたいです。

 そのあたり、せっかくの4Kリマスター版ですので、ぜひIMAXでご覧ください。

210926