アートのウィンドウウォッチングはいかがですか。

 現在、東京・丸の内の行幸地下ギャラリーで開催中の『アートアワードトーキョー 丸の内2026』を観てきました。本展は全国の美大・芸大卒展から選ばれた20名の作品を展示する展覧会です。アーテイストの卵たちの展覧会というわけです。地下通路の両サイドに設けられたショーウィンドウ空間に展示されているのもユニークです。奥行きがあり立体的な作品が展示できるのが特徴です。ここでは私が惹かれた作品とアーティストをいくつかご紹介します。



トウレイ《名前のない植物》
 巨大な標本箱のような作品です。箱のあちこちに植物の標本や写真らしきものが飾られています。どうやらそれらは架空の植物のようです。この箱自体が巨大な虚構なのでしょう。



OIRA《DX・Z・D・3=D》
 ハリボテの化物です。化物は左右に大きく羽を広げています。ねぶた祭りのねぶたのようです羽の部分には大口を開けて叫ぶ顔がいくつも描かれています。。顔の部分は鋭い耳が生えていますが愛らしくも見えます。真ん中には透明な部分がありますが、これはもともと中に人が入る着ぐるみだったからだそうです。
 OIRAさんのこの化物は消費行動のそのものをクリーチャー化したものだそうです。さしずめ欲望の怪物といったところでしょうか。



松田乃音《肌膚/Tender/Birthmark》
 ピンク色をした凸凹の布の上にいくつも瘤みたいなものができています。布表面は皺だらけです。ある部分には白い布がかさぶたのように縫い付けられています。
 松田さんは自身の身体に強いコンプレックスを抱えていたそうです。本作は誰の肌にもある凸凹や皺やアザやかさぶたを見立てたものです。布なので作品自体を身に纏うことができます。それは他者に対する防御であると同時に、自分の身体性を再認識する行為なのです。



石岡紅緒《ユニット》
 石岡さんの作品は藝大の卒展でも観ました。ニットのセーターなのですが二着が繋がっています。二人三脚のように二人で着用するセーターなのです。「ニット」と「ユニット」の語呂合わせというわけです。
 この作品はソーシャル・ディスタンスが叫ばれたコロナ禍を経て作られました。軽やかなユーモアも感じられる面白い作品です。

 このほかの作品もユニークな作品ばかりです。無料な上に地下通路を歩くだけで鑑賞できるので、お仕事帰りにもいかがでしょうか。

行幸地下ギャラリー
『アートアワードトーキョー 丸の内2026』は6月21日まで開催中です。
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