視てはいけない、と言われると余計に視たくなるものです。
現在、GinzaNovo(旧東急プラザ銀座)で開催中の『視てはいけない絵画展』を視てはいけないのに視てきてしまいました。
本展は「視てはいけない絵画」のコレクターであり自身も画家として活動された小野武久氏の貴重なコレクションを一般公開するものです。
「視てはいけない絵画」は3種類あります。強い念が込められた絵、強い感情が込められた絵、そして描かれた題材が視るべきではない絵です。
例えばジュール・デュボアの《ベラレッテ家の昼食》は3番めにあたります。視てはいけない部分は黒く塗りつぶされています。家族の食卓にはいったい何が載っていたのでしょうか。それよりも恐ろしいのは子供が遊んでいる草地の上の黒い丸いものです。それはいったい・・・。
あまりにも強い念が込められた絵は直視することすら危険です。本展では一部の作品は鏡越しに視たりカバーをつけなければ一般公開さえかないませんでした。
強い感情が込められた絵の代表はエミリー・ブラウンの《自己消費》です。モディリアーニ風の自画像です。陰鬱な色彩が気になりますが、特に不審な点はありません。ではなぜこの絵のタイトルは《自己消費》というのか。それは彼女がまさに「身を削りながら」この絵を描いたからです。
エミリー・ブラウンにこのような絵を描かせたのはマーカス・ブラウンです。マーカスは1970年代のロンドンの画壇を支配し、数々の画家に絵を描かせていたようです。展示されている作品を丁寧にたどると、マーカス・ブラウンと本展に展示されている画家な作品、そして小野武久をめぐる物語が立ちあがって来るのです。
銀座Novo
「視てはいけない絵画展」は12月28日までの予定でしたが好評につき1月19日まで会期延長されています。
※なお本展示は全てフィクションです。あらかじめご了承ください。
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