ヨウソロ arttic column
September1,2021 vol.43
「足るを知る」
「足るを知る者は富む」この意味は「満足することを知っている者は、心豊かに生きられる」という、日本の美徳として長い間、使用されてきた言葉です。
ただし勘違いをして欲しくない所は、「足るを知る」というのは、「欲張らず、ほどほどで満足しなさい」という消極的な意味ではなく「これがいい」と、自分がやっていることに満足と誇り、そして自信をもった生き方をすることを言います。
美容師業は技術職ということもあり、高みを目指してどれだけ努力ができるのかを美徳とし、従業員に長い拘束時間と努力を求め、日を跨いで練習をする姿が正義だと教え叩き込まれてきました。
残念なことに未だに多くの美容室がその様な働き方をしているのが現状です。
「足るを知る」とは正反対の働き方をしているのが美容師業だと言えます。
「度が過ぎたものは足りないものと同様に良くない」。
この言葉は260年続いた幕府を創りあげた徳川家康の遺訓にも刻まれています。
「足るを知る」ことは不変的な人生を豊かにする1番のヒントなのかもしれません。
私は会社を設立した目的は「エンターテイナー美容師を育てる」ということです。
エンターテイナーとは他人を幸せにすることです。
おかげさまで弊社では髪の悩みを解決する多くのスタッフが育ちました。
コラムに想いを乗せて書き続けて3年半が経ち、会社のベクトルや社長の考えを、多くのスタッフが理解して成長してくれたと自負しております。
しかし毎回コラムを書きながら、スタッフには「もっとこうあって欲しい」と…つい欲が出てしまいます。
今回のテーマを書きながら、これ以上スタッフに求めるのは野暮ではないのか…そう思った時にこのコラムを一旦終わりにしようと決断しました。
沢山の方に読んで頂き嬉しいお言葉も頂きましたが、1番成長させてもらったのは間違いなく私自身だと思います。
今まで書いたコラムをこれからのスタッフにも繰り返し読み伝え、最高のエンターテイナー美容師をこれからも育てていきたいと思っております。
今後ともartticスタッフの成長を見守っていただけると幸いです。
ありがとうございました。