大学に在籍しながら、住環境という分野で十数年、研究活動をしてきました。
調査や個人旅行などで、日本のあちこちを訪れ、さまざまな建造物やまちの様子を見てきて、日本には価値のある文化遺産が数多く存在していることを日々、実感していました。
また、ライフスタイルも多様化してきている近年、住宅のあり方も非常に多様化していて、いろんな住まいや住まい方がまち中にあふれています。
衣・食・住という、私たちの生活に欠かせない要素を常に見直し、時代に沿って進化させていくことが人間の幸せを追求していくことであると、思ってやみません。
その中で、住という分野は、人間との密着度も薄く、衣服や食に比べて、もっとも後回しにしがちな要素ですが、実は人間の形成にもっとも大きな影響を与える要素であると思っています。
住が貧しくあって、衣や食が豊かであるということは考えにくく、住が豊かであってこそ、衣や食の豊かさにもつながっていくと、一生活者として実感する毎日です。
自身、大学を退職し、主婦という立場で地域での生活を送るようになって数年が経ちましたが、大学の研究室にいながら専門家というフィルターを通してみてきた住環境というものと、一生活者としてみる住環境というものは、微妙な違いがあり、新鮮な発見などが多くあります。
専門家の視点からみる住環境、生活者の視点からみる住環境。
そして、目に見える形で形成されている住環境は、アートである。という視点から、さまざまに考察していこうと考えています。