アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】 -5ページ目

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

建築倉庫ミュージアムを前身とする、

天王洲のWHAT MUSEUMで現在開催されているのは、

“波板と珊瑚礁-建築を遠くに投げる八の実践”という展覧会です。

 

WHAT MUSEUM 波板と珊瑚礁 展覧会ポスター

 

 

 

波板?珊瑚礁??

展覧会のタイトルだけでは、イマイチどんな展覧会かわかりません。

くわえて、タイムトンネルのようなものが8つ並んだ、

展覧会ビジュアルからも、内容がまったく想像ができません(汗)。

公式HPには、点ら回ついて以下のように説明されていました。

 

 本展では、模型を単なる縮尺物としてではなく、

 概念や思考の断片を担うメディウムとして捉え、

 その拡張的な側面に焦点をあてます。

 

 

・・・・・・・・・・。

 

とりあえず、考えることは止めて、

展覧会に行ってみることにしました。

 

本展に参加していたのは、ガラージュやALTEMYら、

主に2010年以降に活動をはじめた気鋭の建築家8組です。

まず冒頭を飾るのは、板坂留五(いたさかるい)さんが代表を務めるRUI Architects。

 

建築展WHAT MUSEUMの会場風景

 

 

展示スペースには、計5つの建築模型が点在しています。

 

建築模型の展示:RUI Architectsの街の観察プロップ
建築模型による街並みの展示

 

 

これらは、RUI Architectsが設計した建築の模型ではなく、

天王洲近辺で目にし、違和感を覚えた場所を模型にしたものとのこと。

曰く、街を観察するためのプロップ(小道具)として建築模型だそうです。

展示ではそれらの模型と併せて、その場所から想起されたストーリーも展示されていました。

 

 

続いては、大野友資さんが代表を務めるDOMINO ARCHITECTS。

会場に入ると、目に飛び込んできたのは、

模型というレベルを超えた巨大な構造物《PULP FICTION (jetway)》です。

 

搭乗橋模型「PULP FICTION」 | WHAT MUSEUM

 

 

初めて目にするのに、どこかで目にしたことがあるような気もします。

それもそのはずで、この作品の正体は、

空港と飛行機を繋ぐ「搭乗橋」を4つ連結させたもの。

 

搭乗橋模型「PULP FICTION (jetway)」

 

 

この建築の中に入ってしまったら最後、

永遠に飛行機に辿り着くことなく、歩き続けることになるでしょう。

エッシャーの作品世界や『8番出口』を想起させるものがありました。

 

 

大阪・関西万博の《トイレ1 夢洲の庭》を設計したことで、

今注目を集める建築コレクティブ・GROUPは、「都市と眠り」がテーマ。

“都市のなかで人が眠ることができる場所”についてリサーチしたそうで、

奥の展示室では、研究者や識者へのインタビュー映像で上映されていました。

 

建築模型と映像展示

 

 

ただ、音声はクリアに聞こえるものの、映像自体はボヤけています。

と思ったら・・・・・

 

image

 

 

ベッドを模したモニターのほうに映っていました!

なんとも斬新なインタビュー映像です。

 

なお、もう一つの展示室では、

“都市における最小の眠りの場”が再現されていました。

 

展示空間の白テーブルと椅子

 

 

どこかで見たような椅子に、どこかで見たようなテーブル。

ふと見上げると、そこには、どこかで見たような天井がありました。

 

WHAT MUSEUMの展示、天井の構造物

 

 

うーん、どこで見たんだっけ??

モヤモヤしながら、テーブルの上のトレーを見ると、見覚えのあるロゴマークを発見!

 

模型のトレイとフォーク、紙コップ
 
 
 

答えがわかり、“タラッタッタッター♪”という気分になりました。

とは言え、本当に“都市における最小の眠りの場”はここでいいのか?

もっと他にも候補はいろいろあるような気もします。

 

 

さてさて、展覧会には他にも、丸・三角・四角の形を改めて問い直す、

畠山鉄生+吉野太基+アーキペラゴアーキテクツスタジオによる《What is ○△□ ?》や、

 

青い立方体と床の反射
赤色の三角形アート展示

 

 

展示室内の壁や机、本などに蓄光塗料が塗られており、消灯すると、
自身の痕跡が空間にうっすら残るOffice Yuasaの 《闇、遅れた微光》など、

 

ミニマルな空間に置かれた、淡い緑色のテーブルと椅子

Office Yuasaの蓄光塗料を用いた闇、遅れた微光

 

 

もはや建築模型というよりも、

インスタレーション作品のようなものもありました。

 

さて、そんな本展のラストを飾るのは、

平野利樹さんによる「東京箱庭計画」です。

 

WHAT MUSEUMの建築模型とカラフルな装飾

 

 

こちらは、砂の入った箱の中にさまざまなオブジェを自由に配置し、

心象風景を表現する心理療法(=箱庭療法)を取り入れた都市計画です。

来場者は箱庭療法の要領で、箱庭内を自由に作り変えることができます。

 

ミニチュア玩具が広がる砂場の展示

 

 

その様子をカメラで読み込み、リアルタイムで3次元モデルを生成。

それをさらに生成AIに読み込ませたものが、

ごみと建設発生土で埋め立てられた東京湾に浮かぶ土地に、

昨年誕生した「海の森公園」に、都市計画として提案されるというものです。

 

WHAT MUSEUMの模型展示、カラフルな水辺の街並み

 

 
都市計画のような壮大なプロジェクトを、
個人でやってみようなど、一度も考えたことがなかったですが。
箱庭にオブジェを適当に並べるだけで、
それっぽい都市計画案を生み出せるだなんて、スゴい時代になったものです。
これを機に、AIを使って本格的に都市計画してみようかしら。
星

 

 

 

 

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