1970年代半ばから後半にかけて、
雑誌『りぼん』において、一大ブームが巻き起こりました。
それが、“おとめチック”ブーム。
その中心的存在だった3人の漫画家、
陸奥A子さん、田渕由美子さん、太刀掛秀子さんは、
俗に「おとめチック三羽烏」と呼ばれています。
出版美術を専門とする弥生美術館ではこれまで、
2015年に陸奥A子さん、2021年に田渕由美子さんの展覧会を開催してきました。
そして、今年2026年、ついに「おとめチック」三部作(?)が完結!
満を持して、太刀掛秀子さんの画業を振り返る初の回顧展、
“太刀掛秀子展 ~『りぼん』70’sおとめチック☆エポック~”が開催されています。
「デコたん」こと太刀掛秀子さんが、
漫画界に鮮烈なデビューを果たしたのは、1973年のこと。
『りぼん新人漫画賞』にて6回目にして、
創設以来初となる大賞の「入選」を受賞しました。
その時、わずか16歳。なんと現役の高校生でした。
今の音楽界に例えるならば(←?)、Adoやtuki.がデビューしたような感じでしょうか。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
その翌年には2作目となる『ライラックの花のころ』で、『りぼん』本誌に初登場。
以降、読み切り作品を次々と発表し、人気を博していきます。
その頃に発表された漫画の一つが、『P.M.3:15 ラブ・ポエム』。
自分に自信が持てない女子高生を主人公にした作品です。
この漫画が画期的だったのは、主人公がメガネっ子であること。
それまでの漫画では、メガネをかけた女子は、
主人公の友人などの脇役でしか登場していなかったそう。
2021年にディズニー長編アニメーション史上初となる、
メガネをかけた女性主人公の映画が制作され、話題となりましたが。
太刀掛さんはそれよりも半世紀も早く、取り入れていたのですね!
なお、この漫画の中ではさらに、少女漫画のド定番、
“曲がり角で男の子とぶつかる”場面も登場するそうです。
さて、その後、太刀掛さんは、1976年1月号より、
初の連載となる『なっちゃんの初恋』を発表します。
同年には、『りぼん』の表紙を初めて飾り、
名実とともに『りぼん』の看板作家の一人となったのでした。
ちなみに。
この当時、太刀掛さんは現役女子大生だったそう!
大学に通いながら、漫画も描いていたなんて、想像するだけでもハードな生活です。
そして、大学を卒業したその年に、
彼女の代表作『花ぶらんこゆれて…』の連載がスタート。
太刀掛さんの漫画の中では最長となる約2年間の連載漫画です。
会期ごとにカラー原画はすべて入れ替えるのだそう。
ファンならば全3期コンプリートしたいところですね。


なお、本展では漫画の原画の他にも、
彼女が手掛けた絵本やエッセイ漫画の原画も展示されています。
さらに、陸奥A子さんと田渕由美子さんの原画も特別出展。
おとめチック三羽烏のメンバーが揃い踏みしています。
おとめチックと言えば、漫画と同じくらいに、
当時の少女たちの心を鷲掴みにしたのが、ふろく。
本展の一角では、それらのふろくも紹介されていました。
ふろくを観ていたら、欲しくなること必至。
しかし、当然ながら展示品のため、これらは購入することはできません。。。
そんな皆様のために、ショップでは、
本展のオリジナルグッズがいろいろ販売されていました。
中でも気になったのは、めがねふき。
なんと5種類もありました!
さすがメガネっ子主人公を生み出した太刀掛さんの展覧会だけはあります。













