布袋に関する説 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画。
それが、『水曜日のアートテラー』です。

 

 

 

この企画の元ネタである本家の『水曜日のダウンタウン』では、

 

「布袋のギターを遠目から携帯で撮影すると

 QRコードと認識され どこかのホームページに飛ぶんじゃないか説」

 

や、

 

「アリに布袋の曲聞かせ続けて飼育したら 巣穴が布袋のギター柄になる説」

 

「布袋のギター あみだくじも出来る説」

 

など、世界的ギタリスト布袋寅泰さんに関する説が、たびたび検証されています。

 

 

そんな本家をリスペクトする形で、

今回僕が提唱したい説はこちらです!

 

 

 

皆さま、一度くらいは目にしたことがあるかもしれませんが。

一応、念のために、紹介しておくと、

布袋さんのギターの柄はこんな感じです。

 

 

 

20世紀初頭に誕生してから現在に至るまで、

美術の世界では、たくさんの抽象画が発表されてきました。

そんな数ある抽象画をくまなく探していけば、

一つくらいは、布袋のギター柄によく似た抽象画があるはず。

 

というわけで、捜索開始。

黒地に白い直線の抽象画といえば、

まずパッと頭に思い浮かんだのが、フランク・ステラの初期の作品です。

 

 

 

視覚的要素やコンセプトを極限まで最小限に切り詰める。

いわゆる、ミニマリズム時代の作品群です。

黒地に白い線ではあるものの、

一定のパターンを繰り替えしているため、

布袋のギター柄のようなランダムさはありません。

 

フランク・ステラよりも多少ランダムさがあったのは、

ドイツ出身の画家ヨゼフ・アルバースによるこちらの抽象画。

 

 

 

しかし、これもまた布袋のギター柄とは遠くかけ離れています。

白い線がもう少し太くないと、

布袋のギター柄に近いと感じられないのでしょう。

 

そこで白い線の太さに注目して、

さらに抽象画を探してみることに。

すると、オプ・アート(=錯視アート)の巨匠、

ヴィクトル・ヴァザルリの作品に良い感じの白い線の太さの作品を発見しました。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

ただ、白い部分が多すぎて、

むしろ黒地に白というか、白地に黒のように見えます。

というか、ウルトラマンの怪獣、ダダの体の模様のようです。

ちなみに、そのヴァザルリも参加した伝説の展覧会、

1965年にMoMAで開催された“応答する眼展”の出展作家の一人、

エドウィン・ミエチコフスキーなる画家の作品のほうがまだ、黒字に白の感がありました。

 

 

 

その後もいろいろ探してみましたが、

なかなか「これだ!」という抽象画には出会えません。


黒地に白であることをいったん脇に置いておきまして。

スタイルがもっとも似ている抽象画は何だろう、

と考えたところ、思い浮かんだのが、モンドリアンの晩年近くの作品でした。

 

 

 

ということは、モンドリアンも参加していた、

オランダの抽象美術運動デ・ステイル関連で探せば、良いのかも。

そこで、「デ・ステイル 黒と白」でインターネット検索してみることに。

すると、こちらの画像がヒットしました。

 

 

 

これは、かなり布袋のギターの柄に近い!

 

と思ったら、デ・ステイルからインスパイアを受けたイタリアのフォトグラファー、

マッティア・モネッティによる建築のファサードを素材にしたコラージュ写真とのこと。

残念ながら、抽象画ではありませんでした。

 

 

これだけ探しても見つからないということは、

布袋のギターの柄は、世界の名だたる抽象画家たちでも、

辿り着くことができなかった唯一無二の境地なのでは。

そう思った矢先、デ・ステイル関連で、こちらの作品が見つかりました。

 

 

 

デ・ステイルのリーダー的存在、

テオ・ファン・ドゥースブルフによる1918年の作品、

《Composition XIII (Woman in studio)》です。


この作品の黒と白を反転させてみたところ・・・・・・・・

 

 

 

 

 

ドゥースブルフの抽象画を反転させたら、

ほぼ布袋のギターの柄。

 




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