三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展Ⅱ | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、三鷹市美術ギャラリーでは、

“三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展Ⅱ”が開催されています。

 

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)

 

 

こちらは、昨年2020年よりスタートした企画で、

5年間にわたって全5回ですべての収蔵品を紹介していくものです。

収蔵品展というフォーマット自体は、特別目新しくはないですが。

この収蔵品展がユニークなのは、

時代やジャンルに分けて紹介するのではなく、

作家の名前の五十音順に作品を紹介していく点にあります。

それゆえ、昨年の第Ⅰ期は、靉嘔(あいおう)さんの作品が紹介されていました。

 

 

 

なお、三鷹市美術ギャラリーがもっとも多く作品を収蔵する作家が、

靉嘔さんであるため、昨年の第Ⅰ期は靉嘔さんの作品しか展示できず。

実質、ただの靉嘔展となっていました(笑)

 

現在開催中の第Ⅱ期は、赤瀬川原平より展示がスタート。

 

 

 

他にも、“エロスの作家”こと池田満寿夫や、

100歳まで生きた現代版画の異才・一原有徳などの作品が紹介されています。

 

 

 

何があっても(?)五十音順に紹介するという、

ルールを徹底しているため、会場ではこんな光景も。

 

 

 

日本を代表する前衛美術家・赤瀬川原平の作品と、

“アバンギャルドの旗手”池田龍雄の作品の間に挟まれているのは、

明治日本画壇の中で、いわゆる旧派の代表的作家とされる荒木十畝の掛軸です。

まず他の美術館では目にできないであろう組み合わせ。

よくわからぬ2作品に挟まれて、

達磨も若干困惑しているようです(笑)

 

 

ちなみに。

前期 (~1/16)のラストを飾っていたのは、

独学で絵を学んだという宇留河泰呂(うるがわ やすろ)という画家です。

 

 

 

これまで数多くの展覧会を観てきましたが、

宇留河泰呂なる画家の作品を目にしたのは初めて。

そんなマイナーな画家(←失礼!)の作品群で締めくくる展覧会は、

きっと後にも先にもこの三鷹市美術ギャラリーの収蔵品展くらいなものでしょう。

五十音順ならではの展覧会。

星

来年以降の残り3回も引き続き期待したいと思います。

無料なので、三鷹市近くを訪れる際に、

ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

 

 

なお、今展で特に印象に残っているのは、宇佐美圭司の作品群です。

 

 

 

宇佐美圭司といえば、東京大学の食堂に飾られていた壁画が、

改修工事のどさくさで、気づいたら廃棄処分されてしまっていた。

というニュースでお馴染み(?)の画家。

三鷹市美術ギャラリーでは大切に保管されていたようで、

所蔵する計14点が一点も欠けることなく展示されていました。

その中で特に印象的だったのが、こちらの作品シリーズです。

 

 

 

なんかどこかでこの色合いに近いものを観たことがあるような・・・。

それも、今から20年前くらいに・・・。

と、デジャヴを感じ、モヤモヤさせられること数分、

記憶を辿りに辿って、デジャヴの正体を突き止めました。

 

 

 

色合いといい、配置の仕方といい。

初代のiMacですね。

 




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