漫画原画にみる1964東京五輪 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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今年2020年は、東京オリンピックが開催される・・・・・・・・はずでした。

いろいろあって、来年に延期されてしまいましたが。。。

しかも、現段階では、来年に開催される確証もありませんが。。。

 

 

さてさて、話は、“前回の東京オリンピック” が開催された1964年に遡りまして。

『サザエさん』 の生みの親である長谷川町子は、

その年の前後に、東京オリンピックを題材にした漫画を数多く発表していました。

そんな貴重な漫画の原画の数々を紹介するのが、

現在、長谷川町子記念館で開催中の “漫画原画にみる1964東京五輪” です。

 

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)

 

 

アニメの 『サザエさん』 は、昭和からほぼ時代経過していない感じゆえ、

時事ネタとは無縁の作品世界というような印象があるかもしれませんが。

(テレビはいまだにブラウン管ですし。スマホも登場しないですし。)

実は、原作となる漫画の 『サザエさん』 は、

新聞連載ということもあり、時事ネタも多く描かれていたようです。

日本が東京オリンピックに沸いた1964年にはもちろん、

東京オリンピックを題材にした漫画が発表されていました。

 

 

 

今展では、東京オリンピックが開催される前夜から終了後まで、

その頃に発表された漫画の原画が、関連資料とともに展示されています。

 

 

 

東京オリンピックフィーバーをネタにした漫画もある一方で。

 

 

 

東京オリンピックに対して批判的な立場のネタもありました。

 

 

 

長谷川町子は、どちらの立場に肩入れすることもなく、

冷静に社会情勢を見つめて、漫画のネタにしていたようです。

そんな彼女の漫画を通じて、この当時、

今回の東京オリンピック2020同様に、賛成派も反対派もいたという事実を知ることができました。

と、同時に、『サザエさん』 は単なる漫画ではなく、

昭和という時代を知るための重要なツールであることも強く実感しました。

サザエさん サザエさん サザエさんは 歴史史料だな。

星

 

 

なお。

1964年は海外渡航が自由化された年でもあったとのこと。

実は、長谷川町子自身は、そこまでオリンピックに興味が無かったそうですが、

海外旅行に関しては興味津々で、1964年の時点でパスポートを取得していたそうです。

会場には、その貴重なパスポートも展示されています。

 

 

 

キャプションに記載がありましたが、身体的特徴を記す欄に、

長谷川町子本人が、「口元のほくろ」 と書いているのだそうです。

そういえば、企画展示室の入り口に、こんなパネルが展示されていましたっけ。

 

 

 

その中の町子の顔をよく見てみると・・・・・・・・

 

 

 

いや、ほくろ無いんかい!

 

パスポートに記したほどの身体的特徴なのに。

 

 

ちなみに。

記念館の向かいの長谷川町子美術館では、

“長谷川町子が愛したものたちⅡ” が開催中です。

こちらでは、長谷川町子自身がコレクションした美術品が展示されていました。

 

 

 

横山大観や速水御舟、東山魁夷、13代今泉今右衛門など。

日本画と陶芸の巨匠による作品の数々が紹介されていました。

どれも名品ばかり。

町子さん 町子さん 町子さんは目利きだな。

 

 

 


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