箱根ナイトミュージアム | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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彫刻の森美術館で、2018年2019年と開催された “箱根ナイトミュージアム”
「光のアーティスト」 こと高橋匡太さんが、
全面プロデュースを担当した参加型のライトアップイベントです。
例年大好評であったため、今年2019年も開催が決定しました!
しかも、ライトアップのエリアが拡大されたパワーアップver.とのこと。

「これは行くしかない!」 というわけで、
イベント初日の11月29日に、早速、箱根にある彫刻の森美術館を訪れてきました。




入り口を抜けると、まず目に飛び込んできたのは、たくさんの提灯。




実は、これらも高橋匡太さんによるアート作品です。
一見すると、普通の提灯のようですが、
内部には蝋燭ではなく、無線で色をコントロールするLEDが入っていました。
出会う彫刻や風景のライトアップの色に合わせて、提灯の光が変化するのだとか。
「見た目はアナログ。中身はハイテク。」 な作品なのです。




そんなLED提灯を一つ持って、いざ館内を散策。




彫刻作品がそれぞれライトアップされており、
昼間の姿とはまたガラっと違う表情を見せていました。
イルミネーションにはそこまで興味のない僕ですが、
このライトアップの光景には、思わずテンションがアップ。
インスタ女子ばりに、何枚も写真を撮ってしまいました。

ちなみに、気づけば、手持ちのLED提灯も色が変化しています。




さらに、何枚も写真を撮ってしまいました (笑)

これまでに何度も彫刻の森美術館を訪れているので、
野外に設置された彫刻作品たちとは、すっかり顔なじみのようなもの。
良くも悪くも、新鮮味を感じることは少なかったのですが、
この日に限っては、デジャヴュの反対の現象 “ジャメヴュ” を感じっぱなしでした。
ライティングされた彫刻作品は、どれも新たな魅力が引き出されています。



高橋匡太 《Glow with Night Garden Project in Hakone》  岡本太郎 《樹人》
Photo: Mito Murakami



これはすべて、高橋さんが一つ一つの作品に対してリスペクトがあるがゆえ。
どのようにライティングすれば、その作品の魅力がもっとも際立つかが考え抜かれていました。
ただ、色とりどりの光でライトアップすれば、インスタ映えして女性が喜ぶ。
日本橋界隈で行われているような、なんちゃってアートイベントとは全くの別物です。


さてさて、今年の “箱根ナイトミュージアム” の目玉は何といっても、
彫刻の森美術館屈指の人気作品 《幸せをよぶシンフォニー彫刻》 のライトアップでしょう!
《幸せをよぶシンフォニー彫刻》 は、
フランスのステンドグラスの巨匠ガブリエル・ロアールが制作した高さ18mのガラスの塔。
日中は、こんな姿をしています。





外観は、単なる地味なグレーの塔ですが、
その内部では、光と色のシャワーをめいっぱい浴びることができます。
そんな 《幸せをよぶシンフォニー彫刻》 がライトアップされた姿が、こちら。




塔自体が光を発し、外から観て楽しむ作品に様変わり。
まるで巨大なランタンのようでした。




なお、ライティングは絶えず変化。
赤くなったり、緑になったり、青になったり。
時おり、『アタック25』 を彷彿とさせる瞬間もあります。
さて、気になるのは、その内部。
夜間は、階段は上がれないようになっていましたが、踊り場までは入ることができました。




日中とは違って、内部が地味。
外が内で。内が外で。
逆転現象が起こっていました。


ちなみに。
こちらの 《幸せをよぶシンフォニー彫刻》 に関しては、
ダムタイプのメンバーでもある山中透さんの音楽とコラボしています。
光と音楽とのハーモニーも是非お楽しみくださいませ。




夜の世界に、彫刻が光り輝き、音楽が鳴り響く。
まさに絵に描いたようにロマンティックな光景が広がるイベントでした。
星星星
3つ星ではありますが、お一人様にはあまりオススメできません。
周囲のカップルやファミリー、友達連れが楽しげなのが、羨ましく感じられることでしょう (笑)
誰かを誘って行くのがベターです。
それと、防寒対策はしっかりと!




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