ゴッホのイエローに、マティスの赤、“黒の魔術師” マネ・・・etc、
自分色というべき独自の色を持つ西洋の画家は、多数存在していますが。
実は、日本画の世界にも、「東山魁夷の青」 や、
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東山魁夷 《年暮る》 1968(昭和43)年 紙本・彩色 山種美術館
「奥田元宋の赤」 をはじめ、独自の色を持つ画家は存在しています。
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奥田元宋 《奥入瀬(秋)》 1983(昭和58)年 紙本・彩色 山種美術館
そんな日本画における “色” に注目した展覧会が、
現在、山種美術館にて、広尾開館10周年記念特別展として開催中。
その名も、“東山魁夷の青・奥田元宋の赤 -色で読み解く日本画-” です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/11/artony/a5/24/j/o2009143114635244528.jpg?caw=800)
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
色をテーマにした展覧会であるため、
山種美術館の会場は、いつも以上にカラフル!
通常の展覧会に輪をかけて、目にも鮮やかな展覧会となっていました。
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![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/22/artony/bb/ac/j/o1971140914635774598.jpg?caw=800)
さて、今展の出展作品は、約50点。
モチーフや作家、年代などは特に関係なしに、
青、緑、赤、黄、黒、白、銀、金と8色にわけてカテゴライズされています。
もちろん大半の作品は、「青っ!!」 とか、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/22/artony/dc/85/j/o1873140314635783454.jpg?caw=800)
「白っ!!」 とか、一つの色が際立っていましたが。
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中には、「何で、この作品が、この色のコーナーに?」 というものも。
例えば、田渕俊夫さんの 《輪中の村》 という一枚。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/22/artony/93/5a/j/o1672115714635798445.jpg?caw=800)
田渕俊夫 《輪中の村》 1979(昭和54)年 紙本・彩色 山種美術館
こちらの作品は、銀のコーナーにて紹介されていました。
実は、これまで、この絵を目にしても、
“曇り空を描いた冴えない絵だなァ。。。” くらいにしか感じていなかったのですが。
今回の展覧会を通じて初めて、灰色ではなく、銀色で描かれていたことを認識。
単なる地味な絵というイメージから、むしろ華やかで幽玄の美のイメージへ一新しました。
『アグリー・ベティ』 状態です。
また例えば、柿の木を描いた小林古径の 《秌采》。
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小林古径 《秌采》 1934(昭和9)年 紙本・彩色 山種美術館
こちらは、金のコーナーで紹介されていました。
「柿の木なのに、金?」 と思いつつ、よくよく葉っぱを観てみると・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/22/artony/90/49/j/o2016151214635790530.jpg?caw=800)
確かに、金で表現されているではないですか!
これまでに何度か、この絵を山種美術館で目にしているはずなのですが、
柿にばかり目が行ってしまい、この葉が金であることにまったく気がついていませんでした。
と、これらはほんの一例です。
色に注目することで、日本画はもっと楽しくなる。
そんなことを教えてくれる展覧会でした。
![星](https://emoji.ameba.jp/img/user/ri/rikatori/56300.gif)
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ちなみに、今回の出展作品の中で、
個人的に印象に残っているのは、奥田元宋の 《湖畔春耀》 です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/22/artony/71/cb/j/o1950148614635813377.jpg?caw=800)
奥田元宋作品の特徴は、その独特のふわふわとした印象の絵肌。
ただ、こちらの 《湖畔春耀》 にいたっては、“ふわふわ” というよりも、“ふわっふわっ”。
アクロンで洗ったニットのような質感が感じられました。
たぶん、首元に巻いても (←?)、チクチクしないくらいに “ふわっふわっ”。
それから、もう一点印象的だったのが、安田靫彦の 《観世音菩薩像》 です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/23/artony/eb/1a/j/o1984150714635821596.jpg?caw=800)
観世音菩薩が、なんとも言えないような微妙な表情を浮かべていました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20191109/23/artony/01/92/j/o1371106214635821647.jpg?caw=800)
バチェラーから手渡されたのは、薔薇じゃなくて、この草。
・・・・・とでもいうような表情を浮かべています。
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