昨年、上野の東京都美術館に、ブリューゲルの 《バベルの塔》 が来日して話題となりましたが。
実は、上野駅のほど近くに、
かねてより、「バベルの塔」 をモチーフにした美術作品が存在しているそうです。
“えっ?どこに?!”
その真偽を確かめるべく、上野駅へと急行しました。
なんでも上野駅から延びるペデストリアンデッキに、その作品はあるようです。
ひときわ目立つこのオブジェは・・・どう見ても、「バベルの塔」 と関係はなさそうですね。
関係ないとはいえ、これほど大きな作品です。
作者の名前やタイトルが記載されたキャプションはないかと、
念のため探してみましたが、周囲にはそれらしきものはありませんでした。
名もなきアーティストの名もなき作品のようです。
その代わりに、作品の足元にこんなプレートが設置されていました。
・・・・・・・・ジュエリーロード??
すぐにスマホでググってみたところ、
どうやら、このペデストリアンデッキの名前が、ジュエリーロードというそうです。
10年以上、上野に通っていますが、初めて知る事実でした。
そんなジュエリーロードを散策していると、ようやくそれっぽい作品を発見!
確かに、「バベルの塔」 です。
ケースの隅に目をやると、そこに作品のキャプションがありました。
新・無料で観れる 美術百選 082 飯野一朗 《アリ・アリング》
作者は、飯野一朗さん。
東京藝術大学の工芸科で、40年にわたって彫金を指導し、昨年退任された彫金家です。
ということは、「バベルの塔」 を登る金色の蟻は、彫金で制作されているということですね。
数匹程度いるだけかと思いきや、結構な数の蟻がいます。
ちょっと気持ち悪くなるくらいに、ワラワラといます。
これを1つ1つ彫金で制作したとは!
よほど働きアリのように打ち込んで制作されたのでしょう。
飯野さんの苦労が偲ばれます。
ちなみに、作品の世界観が完璧だっただけに・・・
ケース内に設置されたドライペットが邪魔で仕方なかったです。
湿気を取りたいにしても、他のものがあるでしょうに。
ドライペットは、アリかナシかで言えば、ナシ。
ナシ・ナシングです。
<無料で観れる美術 データ>
ジュエリーブリッジ
住所:東京都台東区上野7-1
アクセス:○JR 「上野駅」 直結
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