ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、東京都庭園美術館で開催されているのは、
‟ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力” という展覧会です。




こちらは、ブラジル・サンパウロの出版社であるBEIが、
長年かけて集めてきたブラジル先住民の椅子コレクションの中から、約90点を紹介するものです。
BEIコレクションが来日するのは、今回が初めて。
いや、そもそも、ブラジルから外に出ること自体が初めて。
さらには、ブラジル国内でもまとめて展示されたことがないそう。
つまりは、日本初どころか世界初のブラジル先住民の椅子の展覧会なのです。


今回紹介されているブラジル先住民の椅子は、大きく分けて3種類あります。
1つ目は、座るための椅子です。




基本的にシンプル。
ブラジル先住民の椅子は、座面が平たいのが特徴です。
あまり座り心地はよくなさそうな。


続いて2つ目は、宗教の儀式で使うための椅子。





鳥や猿、ジャガーといった動物がモチーフとなっています。
座るのが許されていたのは、高貴な男性だけだったそう。
可愛らしい見た目ですが、
ブラジルの先住民的には、社長の椅子、部長の椅子なのかもしれません。


そして、3つ目が、文化を伝えてゆくべく、
現在も、先住民たちによって作り続けられている椅子。
日本で言えば、こけしや木彫りの熊の置物みたいな感じでしょうか。




こちらも、やはり伝統的な椅子にならって動物がモチーフとなっています。
伝統的な椅子と比べて、座面が高くなっているものも多くあるのだとか。
それは、もはや椅子なのか?!


今回の展覧会を見終わったあと、心からこう叫びたくなりました。

「ブラジルの人、聞こえますか~!
 先住民の椅子、ゆるカワでしたよ~!!」


とにもかくにも可愛かったです。
星星
展示品なので、もちろん座ることは出来ないのですが、
もし仮に座ってオッケーだったとしても、あまりにも可愛いので、座れる気がしません!





特にお気に入りなのは、クイクロの人々によるサルの椅子。
完全に空を飛んでます。
パーマン2号か(笑)





飛んでると言えば、メイナクの人々によるコウモリの椅子も。




ただし、こちらはまさかの仰向け。
お腹の上に座ることになりますね。
ボクサーの腹筋スタイルです。


ちなみに、今回の展覧会の会場構成を担当しているのは、なんと世界的建築家の伊東豊雄さん。
本館に設置された、どことなく浮遊感のある展示台は、伊東豊雄さんのデザインによるものです。




また、伊東さんが会場構成を手掛けた新館は、こんな感じに。




白いワンルームの周囲に、ブラジル先住民の椅子がビッシリ。
室内の中央には、多数の白いビーズクッションが設置されています。
ビーズクッションに座ることで、ブラジル先住民の椅子と目線が合うようデザインされていました。




立った状態で見るよりも、同じ目線 (通常より低い目線) で見る方が、より可愛く感じます。
そして、より愛着が湧きます。




そんな新館の展示室にも、ナイスキャラがたくさんいましたが。
特にインパクトがあったのは、この子でしょうか。




ピクミンとか、そういう類かと思いきや。
どうやらバクのようです。
悪い夢を食べてくれる気はしません。
むしろ、こいつが夢の中で増殖しそうな予感さえします。




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