ふるさとの駄菓子 -石橋幸作が愛した味とかたち- | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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貝の研究やコレクションに生涯を捧げた人々に。
『マツコの知らない世界』 の出演者と同じくらい、
いや、それ以上にマニアックな人々を、これまで多数紹介してきたLIXILギャラリー。
今回フィーチャーしているのは、石橋幸作さん (1900~1976) です。




石橋幸作は、仙台で明治18年から続く仙台駄菓子屋 「石橋屋」 の二代目。
菓子職人として伝統の郷土菓子を作りながら、
約半世紀に渡り、日本中を巡って、日本全国の駄菓子を調べた駄菓子研究者でもあります。
ちなみに、駄菓子といっても、さくらんぼ餅とかココアシガレットとか、
いわゆる駄菓子屋で売られている昭和の懐かしき駄菓子ではありません。
全国区でない郷土の駄菓子です。
そんな駄菓子マニア・石橋幸作による、僕らの知らない駄菓子の世界が、
現在開催中の “ふるさとの駄菓子-石橋幸作が愛した味とかたち-” で紹介されています。





まず紹介されていたのは、北は青森から、西は九州まで、
全国行脚して出逢った駄菓子のイラストや製法などが記されたスケッチです。




レアな駄菓子を見つけた喜びだけが綴られているのかと思いきや。
前日からの疲労で嫌々ながら探したこと、
その割には、たいした駄菓子に出逢えなかったことなど、愚痴も率直に綴られていました (笑)
良くも悪くも、石橋幸作の飾らない性格が滲み出たスケッチです。


また、会場では、菓子職人として培った技術を応用し、
石橋幸作が紙粘土を用いて立体的にも再現した駄菓子模型の数々も紹介されていました。




カラフルでポップな駄菓子もあれば、




おばあちゃんがお茶請けで食べてそうな駄菓子や、




何だか食欲が湧かない駄菓子もありました。




和菓子はフィーチャーされることはありますが、
駄菓子にも、これほどのバリエーションがあったのですね。
新鮮に驚きました。
たかが駄菓子。されど駄菓子。
駄菓子も奥が深いです。
星


個人的に印象に残ったのは、仙台駄菓子の大ねじり。




その名の通り、大きな “きなこねじり” です。
普通サイズのきなこねじりでも、だいぶ口の中の水分を持っていかれますが。
このサイズだと、どうなってしまうのだろうか?
挑戦してみたいような。してみたくないような。


巨大と言えば、こんな駄菓子も。




香川県の善通寺で販売されていたという大型パンです。
パッと見は、山崎製パンのミニスナックゴールド (←ミニといいながら、全然ミニじゃないヤツ) にそっくり。
これまた口の中の水分が、だいぶ持っていかれそうです。
しかし、なんでお寺でパンが販売されていたのか。
お寺に参拝にきて、パンを食べたくなる心理がよくわかりません。
ましてや、大型パンを。


ちなみに、会場には石橋幸作が得意とした吹き飴細工の模型の数々も紹介されていました。
彼の職人技を見て取ることができます。




舐めてしまうのがもったいない素朴で可愛らしい飴細工ばかり。
しかし、中には、そうでもない飴細工も。。。




ビジュアルの時点で、すでに怖いですが。
これを一心不乱にペロペロ舐めてる子どもがいたら・・・。
想像するだけでも、怖いです。




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