特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ―天平と真言密教の名宝―」 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、東京国立博物館 平成館で開催されているのは、
“仁和寺と御室派のみほとけ ―天平と真言密教の名宝―” という特別展。

展覧会
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


京都・仁和寺を総本山とする真言宗御室派の寺院 (←全国に約790箇寺あるそうです) から、
通常非公開の秘仏8体を含む彫刻66体など174件の名宝を紹介する展覧会です。(※途中展示替えあり)

正直な話、この一つ前に開催されていたのが、60万人越えを達成した “運慶展” だったこともあり、

「あっちと比べちゃうと、今回の展覧会はなー・・・
 国宝の仏像や秘仏が観られるらしいけど、
 どうせ運慶の仏像ほどの感動はないだろうからなー・・・」

と、あまり期待していませんでした。
タイミングが悪かったですね。
“運慶展” のインパクトを超えることはないでしょう。


ところが!

いざ、2014年に修理が完了した空海ゆかりの国宝、
《三十帖冊子》(仁和寺蔵) の展覧会史上初となる全帖一挙公開や、
(注:全帖の一挙公開は、1/28まで。1/30以降は2帖ずつ公開)

全帖
全帖


大阪・道明寺の国宝 《十一面観音菩薩立像》 を含む・・・

十一面観音菩薩立像


秘仏本尊の数々を前にすると、秒でアガりました。
激しく、前言撤回。
(仁和寺と御室派の寺院の皆様ならびに、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます)
“運慶展” と同じくらいインパクトがありました。
とりわけ衝撃を受けたのが、一般には非公開とされている観音堂の再現展示。

展示
忠実


かつて、これほどまで忠実に、再現された展覧会があったでしょうか?!

しかも、ここにある仏像は、決してレプリカなどではなく。
実際の観音堂の安置されているものです。
つまり、モノホン。

それ以上に驚かされたのが、この再現展示コーナーに限っては・・・

写真撮影が可能ということ!!!

本多


どことなく本田博太郎似の難陀竜王も写真に撮り放題。
SNSにアップし放題です。


他にも、まだまだ見どころがいっぱい。
日本三大曼荼羅図の一つで国宝の 《両界曼荼羅(子島曼荼羅)》 (奈良・子島寺蔵)や、

仏像
国宝 《両界曼荼羅(子島曼荼羅)》 平安時代 10~11世紀 子島寺蔵

像高が約250㎝にもおよぶ福井県の明通寺の仏像が登場するなど、

仏像
右から重要文化財 《降三世明王立像》、重要文化財 《深沙大将立像》 いずれも平安時代 11世紀 福井県・明通寺蔵


驚きと感動のオンパレードでした!
エンターテインメント性という面では、“運慶展” を超えていた気がします。
星星星


ちなみに、会期後半2月14日以降からは・・・

像公
国宝 《薬師如来坐像》 円勢・長円作 平安時代・康和5年(1103) 京都・仁和寺蔵  (注:展示期間は、2月14日~3月11日)


像高は、わずか11.8cm。
仏像界の小さな巨人 (?)、
秘仏中の秘仏である仁和寺の国宝 《薬師如来坐像》 が登場。


さらに、本当に手が1000本ある、いや、1000を超えて1041本もある千手観音、
大阪・葛井寺 (ふじいでら) の国宝 《千手観音菩薩坐像》 も満を持して登場いたします。

国宝 千手観音菩薩坐像
国宝 《千手観音菩薩坐像》 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺蔵 (注:展示期間は、2月14日~3月11日)


仁和寺の 《薬師如来坐像》 は東京初公開、
葛井寺の 《千手観音菩薩坐像》 は、江戸時代の出開帳以来の東京公開となります。
これは、後期も行くしかありますまい。
前半でも十分に楽しめましたが、
この展覧会、後半に伸びるタイプです。

「去年、“運慶展” に行ったから、今回の仏像展はパス」

なんて思ってるそこのアナタ!
きっと後悔しますよ。


 ┃会期:2018年1月16日(火) ~3月11日(日)
 ┃会場:東京国立博物館 平成館
 ┃
http://ninnaji2018.com

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “仁和寺と御室派のみほとけ展” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、1月30日。当選は発送をもって代えさせていただきます)




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