技を極める—ヴァン クリーフ&アーペル | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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ディ●ールに、エ●メスに、ブル●リに、ルイ・ヴィ●ンに。
ブランド大好き日本では、毎年のように世界的なブランドの展覧会が開催されてきました。

そして、今年2017年は、京都国立近代美術館にて、
フランスを代表するブランド・ヴァン クリーフ&アーペルの展覧会が開催されています。
その名も、“技を極める-ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸”
会期は8月6日まで。

ヴァン


正直なところ、

“まぁ、今回もこれまでのブランドの展覧会と大差ないんだろうなぁ”

と、勝手に決めつけて、実はそこまで期待していませんでした。
しかし、いざ展覧会の会場に足を踏み入れて、猛省も猛省。
他のブランドの展覧会とは、一味も二味も違う展覧会でした!
僕がこれまでに訪れたブランドの展覧会では、ぶっちぎりでNo.1。
京都まで足を運ぶ価値は大いにあります。
星星星


今回の展覧会の最大の魅力は、何と言っても、
明治・大正期に作られた日本の工芸作品、いわゆる超絶技巧の作品と併せて展示してあることです。

並河靖之の七宝作品とヴァン クリーフ&アーペルのジュエリー。

並河
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


安藤碌山の牙彫作品とヴァン クリーフ&アーペルのジュエリー。

安藤


自在置物とヴァン クリーフ&アーペルのジュエリー。

自在


まさに、日本とフランスの技の競演です。
これまではジュエリーを観ても、単に “わー、宝石が綺麗♪” くらいにしか思わなかったですが。
このように日本の超絶技巧作品と対比する形で展示されることで、
小さなジュエリーの中に施された職人技術の数々に自然と目と意識が向くようになります。
もちろん宝石そのものや全体像も美しいのですが、
それ以上に、超絶技巧的な職人技術に惚れ惚れとしてしまいました。
特に、ヴァン クリーフ&アーぺル独自のテクニックであるミステリーセッティング (※) に眼が釘付け。
(※宝石を支える爪を表面から見せない技法)

ジュエリー


ケースの裏側に周って、そこからガン見してしまいました。
傍から見たら、“めっちゃジュエリー欲しがってるヤツ” です。


また、明治・大正期の超絶技巧作品だけでなく、
三越の新しいショッピングバッグでお馴染みの (?) 人間国宝・森口邦彦さんをはじめ、

森口
森口邦彦 《友禅着物 雪舞》 個人蔵 2016年 絹、友禅、着物 撮影:四方邦熙


現在第一線で活躍する日本の工芸作家とコラボしたコーナーも。

コラボ


こちらは、“競演” というよりも “共演” という印象。
日本とフランス、それぞれの文化が巧く融合しているような空間になっていました。


ちなみに、今回の展覧会のために、
気鋭の建築家・藤本壮介氏がデザインした会場も見どころの一つ。
ガラスケースをレイヤーのように重ねることで、幽玄的な空間を生み出した展示空間も良かったですが。

会場


何よりも目を見張ったのが、国産のヒノキで作られた巨大なカウンターテーブルです。

ヒノキ


その長さ、実に18メートル!!
お台場にあったガンダムを横に寝かせたのと同じ長さです。

テーブル


そんな豪華なカウンターに並んでいるのは、《3羽の鳥のクリップ》 や、

3羽の
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1946年 ゴールド、プラチナ、サファイア、ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels


《ジップ ネックレス》 をはじめとする、

ブレスレットに形を変えるジップネックレス
ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1954年 ゴールド、プラチナ、ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels


1906年の創立から現代まで、ヴァン クリーフ&アーペルの歴史に残るハイジュエリーの数々です。
ヒノキとハイジュエリー。
意外な組み合わせでしたが、思いのほか、しっくり来ていました。


日本へのリスペクトが終始感じられる展覧会でした。
ヴァン クリーフ&アーペルの好感度がうなぎ上りです。


 ┃会期:2017年4月29日(土・祝)~8月6日(日)
 ┃会場:京都国立近代美術館
 ┃
http://highjewelry.exhn.jp/

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “技を極める—ヴァン クリーフ&アーペル” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、5月25日。当選は発送をもって代えさせていただきます)



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