「おぉ、国宝。あなたはなぜ国宝なの?」
日本全国には、どうして国宝に指定されたのか、よくわらかない国宝があります。
それらは、なぜ国宝なのか。
その答えは、自分の目で、足で、確かめるしかありません。
国宝ハンターは、物言わぬ国宝と対話を続ける旅を今日も続けているのです。
もう展覧会そのものは終わってしまいましたが、
サントリー美術館で、4月1日まで開催されていた “悠久の光彩 東洋陶磁の美” で、2つの国宝をゲットしていました。
1つは、 《飛青磁花生》 (ジャンル:工芸品)
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-飛青磁 花生](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/22/artony/65/8b/j/t01910250_0191025011902612000.jpg?caw=800)
飛青磁とは、釉面に点々と鉄斑文のある青磁のこと。
その飛青磁の中でも国内最高傑作と評されるのが、この 《飛青磁花生》 なのだとか。
これまでいろんな陶磁器を目にしてきましたが、これは別格。
あまりに心を奪われてしまい、 《飛青磁花生》 を前にして、しばし惚けてしまいました。
これ以上ないくらいに透き通った青い色。
そして、これ以上ないくらいに滑らかな曲線のフォルム。
「完璧」 というのは、この器のためにある言葉なのでしょう。
文句なしに国宝です。
そして、もう1つは、 《油滴天目茶碗》 (ジャンル:工芸品)
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-油滴天目茶碗](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/22/artony/bd/13/j/t02200146_0700046611902647998.jpg?caw=800)
こちらもまた、 《飛青磁花生》 に負けず劣らず素晴らしかったです。
「国宝だぜ!」 オーラ (?) が、プンプン出ていました。
“漆黒の闇夜に、しんしんと降る雪” のイメージが浮かびましたし、
“深海に漂うマリンスノー” のイメージも浮かびました。
向き合えば向き合うほど、いろいろなイメージが湧きおこります。
ここまで物語性を持った陶磁器は、他にないのではないでしょうか。
さてさて、サントリー美術館以外でも、今月ゲットした国宝は2つ。
採取場所は、この国宝ハンターシリーズでは、すっかりお馴染みのトーハクです。
国宝室に展示されていたのは、4月に相応しい屏風。
ただ、これまでにないパターンの国宝です。
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-花下遊楽図屏風](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/23/artony/7d/7b/j/t02200165_0800060011902695369.jpg?caw=800)
描かれているのは、花見を楽しむ人々。
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-花下遊楽図屏風](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/23/artony/a0/44/j/t02200293_0800106711902700315.jpg?caw=800)
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-花下遊楽図屏風](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/23/artony/02/47/j/t02200293_0800106711902700316.jpg?caw=800)
一見すると、普通の国宝 (?) に見えますが。
右隻に注目!
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-花下遊楽図屏風](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/23/artony/00/84/j/t02200165_0800060011902704014.jpg?caw=800)
「あっ、ない!!」
元から、ここが無かったというわけでなく。
関東大震災の時に、紛失してしまったのだそうです。
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-花下遊楽図屏風](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/23/artony/c8/59/j/t02200165_0800060011902713754.jpg?caw=800)
そういうわけで、この国宝の正式登録名称は、
《紙本著色花下遊楽図〈狩野長信筆/六曲屏風(右隻の二扇を欠く)〉》 (ジャンル:絵画)
右隻の現状も込みでの国宝名です。
そして、トーハクでゲットした2つ目の国宝が、
![アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-国宝 渓陰小築図](https://stat.ameba.jp/user_images/20120407/23/artony/b2/63/j/t01350400_0135040011902728970.jpg?caw=800)
《紙本墨画渓陰小築図》 (ジャンル:絵画) です。
ジャンルは絵画ですが、画面の半分は詩。
いや、むしろ、若干、詩のがスペース広い?
ともあれ、こちらは室町時代の詩画の傑作とのこと。
その辺の駅前にいるポエマーのポエム絵画とは、格と品が違いました。
今現在の国宝ハンティング数 153/1082
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中
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